(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 消費税が10%に引き上げられた10月1日、飲食業界への影響はどうだったのか。

 店内で飲食する場合は消費税が10%に引き上げられたが、持ち帰りの場合は軽減税率が適用されて従来通り8%が適用される。総じて「持ち帰り」に有利に働くことが予想されていた。各社の対応は「店内飲食時の本体価格を引き下げ、店内飲食と持ち帰りの税込み価格を同一にする」もしくは「同一の本体価格にして、店内で飲食する場合は10%、テークアウトの場合は8%を適用する」と割れている。

 まず、持ち帰り専業店勢はどうだろう。持ち帰り弁当の「ほっともっと」を運営するプレナスは「売り上げは好調。新規顧客を含め、テークアウト商品の価値を感じてもらいたい」と「持ち帰り特需」に期待を寄せる。

 ただし、プレナスは、増税に合わせて10月1日~14日、かつ丼を通常より70~100円安いセール価格で販売している。売り上げの好調が持ち帰り需要の高まりなのか、セールの効果なのかはまだ見極められない。

 イートインとテイクアウトの双方を手掛ける店はどうだろう。

 タリーズコーヒージャパンの広報担当は「増税後、まだ1日しか経ってないので」とした上で、「飲んでくつろぐというところまで含めてのサービスを提供しているため、イートインが多い。2%の節約のためにテークアウトにするという大きな変化はなさそうだ」と話す。

 多くの牛丼チェーンが店内外同一価格をとった中で、別価格とした吉野家の広報担当者も「(店内外の)2%の差はそれほど意識しないとの声もあるようだ」とし、店内外での飲食傾向にあまり変化はみられていないとの見方を示した。

 東京都中央区でランチタイムに持ち帰り弁当を販売している男性も、「1日は学生向けに販売していたからかもしれないが、いつもと特に変わったとは感じなかった」と増税の影響を感じることはないようだった。

 軽減税率の設定は、今のところ消費者の行動を左右するほど大きな効果を生んではいないようだ。とはいえ、消費スタイルによって税率が変わるという仕組みがまだ浸透していない可能性も大きく、明確な動きが出てくるのはこれからかもしれない。各社とも、増税による負の影響を懸念しつつも、政府が用意した税率格差のゲームの中で勝ち組になるべく策を練っていくことになる。

この記事はシリーズ「1分解説」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。