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 格安スマートフォンサービスを手掛けるトーンモバイルは9月30日、米アップルのスマホ「iPhone」の利用を、外部から制御できる新サービスを発表した。子供が持つiPhoneを親が管理する用途を想定している。iPhoneに差し込んで格安通信サービスを利用可能にする同社のSIMカード「TONE SIM(for iPhone)」の契約者を対象に、10月24日から提供する。

 今回の新サービスは、iPhoneでSNS(交流サイト)やゲーム、動画、音楽などのアプリを利用する場合に、アプリ単位で利用時間帯を制限できるのが特徴。加えて、子供がこうした利用制限機能を勝手に解除できないようにしたという。具体的にはiPhoneからの通信を、「AIファイアウォール」と呼ぶ独自のサーバーを経由させる。このサーバー上で、あらかじめ設定したルールに基づいてアプリやWebブラウザーの通信を制限する仕組みだ。

「青少年に人気のiPhoneにきめ細かい制御機能を提供してファミリー層に訴求する」と話すトーンモバイルの石田宏樹社長

 内閣府によれば、満10歳から満17歳までのスマホを使ったネット利用率は2018年度で70.6%。このうち高校生は97.5%で中学生は70.6%、小学生でも45.9%いる。こうした中、子供がネット利用に絡む犯罪に巻き込まれたり、時間制限なくゲームに没頭したりするリスクも高まっている。そこでNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクといった大手携帯電話会社はこれまでも、青少年のスマホ利用を親が管理するための機能を顧客に提供してきた。18年2月からは、契約者が18歳未満の場合に店頭などで「フィルタリングサービス」を設定することも義務付けられた。フィルタリングとはインターネットの閲覧や利用を制限する機能だ。

 だが、トーンモバイルの石田宏樹・社長CEO(最高経営責任者)は「子供がネットのまとめサイトに載っている操作方法に従って解除してしまうケースが多い」と話す。しかもiPhoneの場合は、米グーグルの「Android」を搭載したスマホに比べ、若い世代からの人気が高いにも関わらず、OS(基本ソフト)の制約もあり、そもそもアプリの管理機能が不足しているという。トーンモバイルではサーバー上に利用制限機能を組み込むことで、iPhoneであってもきめ細かく堅牢(けんろう)な制限機能を実現できるとする。

 携帯大手よりも安い通信料金が消費者に受け入れられ、2010年代に急成長した格安スマホ市場。だが最近は携帯大手が顧客囲い込み策を強化し、サブブランドで安値攻勢を仕掛けた影響で淘汰が進んでいる。トーンモバイルの石田社長は、携帯大手にとってはニッチだったファミリー層やシニア層にフォーカスして13年から格安スマホ事業を展開し、単独で生き残ってきた。10月1日には、大手による行き過ぎた顧客囲い込みや端末と通信回線のセット値引きを抑制する改正電気通信事業法が施行された。スマホの買い方や回線契約のあり方が大きく変わるが、同社への追い風となるか。

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