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楽天子会社の楽天モバイルは9月30日、次世代通信規格「5G」を使う通信サービスを始めた。既存ユーザーが5G対応スマホを使えばそのままの月額料金で5Gサービスを利用できる。5Gを「タダ」で追加する楽天モバイルの成算とは。

 「清水の舞台から飛び降りる気持ちで決めた」

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は9月30日に開いた会見で、5Gサービスの料金プランを4Gサービスの月額2980円(税別)のまま据え置いたことについてこう語った。三木谷会長は4Gの料金で5Gサービスが利用できる「タダ5G」だと強調し、NTTドコモなど大手3社の5Gの利用プランと比較して「平均して71%安い」と胸を張った。2020年春のサービス開始時に打ち出した先着300万人の利用料金を1年間無料にするキャンペーンも継続する。

東京都や神奈川県などのごく一部の地域に5Gの基地局を整備した

 菅義偉首相が携帯電話料金の引き下げに意欲を示す中、通信各社は対応を余儀なくされている。さらに会見の前日には国内首位のNTTドコモを親会社のNTTがTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化すると発表するなど、通信業界は激動の時期を迎えている。その中で最後発の楽天が5Gサービスの価格競争に先手を打った格好だ。

 会見でNTTの動きについて問われた楽天モバイルの山田善久社長は「他社のことはコメントすべきではない」として言及は避けた。それでも山田氏は「革新的な技術をベースにした圧倒的な価格差がある」と競合に対する優位性を主張し、「きちんと進んでいけばユーザーの支持は得られる」と自信を示した。

 30日の東京株式市場では、楽天モバイルの5Gサービスの利用料金が2980円と一部で報じられたことを受けて楽天株が反発。一時前日比2%(28円)高の1150円まで上昇した。株式市場は楽天のチャレンジに対して一定の評価をしたようだ。

都内は楽天の本社周辺がほとんど