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(写真:ロイター/アフロ)

 米ニューヨークの国連本部で開かれた「気候行動サミット」で行われたスウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんによる演説が話題を呼んでいる。トゥンベリさんは若い世代の代表として、「あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっている。よくそんなことが言えるものだ」などと強い言葉で各国の取り組みの遅れを批判した。

 小泉進次郎環境相が演説について「強烈だった。腹の底から思っていると実感した」と話し、オバマ前米大統領やドイツのメルケル首相と面会するなど、トゥンベリさんは環境活動家としての存在感を増している。一方でネット上では今回の演説について「ここまで強い言葉を使っての攻撃的な発言に傲慢さを感じる」「環境保護も大切だが率直に彼女を怖いと思った」などの批判もあった。

 「よくもそんなことが」という意味の「How dare you」というフレーズは、約4分半の演説の中で4回登場。「あらゆる生態系が壊れだし、私たちは絶滅の淵にいる。にもかかわらず、あなたたちは口を開けばカネのことや、いつまでも続く経済成長などというおとぎ話ばかりだ。よくそんなことが言えるものだ」などと、泣きださんばかりの表情で怒りをぶつけた。

 トゥンベリさんは演説の後半で、二酸化炭素の排出量と気温上昇リスクに関する具体的な数値を出しながら、「現状の排出レベルならあと8年半経たないうちに許容できる二酸化炭素の排出量を超える」などとも指摘。10年間で温室効果ガスの排出量を半減するという考え方では、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性が50%とし、「50%のリスクは決して受け入れられない。その結果とともに生きていかなくてはいけないのは私たちだ」と若い世代にとってより深刻であることを強調したことで、話題を呼んだともいえる。

 パフォーマンス学の専門家である佐藤綾子ハリウッド大学院大学教授は今回の演説について「『よくもそんなことが』『決して許さない』など、感情的な単語が多い」と指摘。「論理ではなく、感情にアピールしようという意図」と分析する。

 佐藤氏は「数字もちゃんと入っており、そういう意味では論理的と言えるが、説明の単語がロジカルではない。国連という論理的なものが求められる場で感情にアピールしたことが、簡単に言えば場違いだった」と、演説への批判の背景を分析する。

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