「料金はもらわないが実質的には本格サービスと位置づけている。いずれ『5Gはあの日から始まったんだ』と言ってもらえるような内容にする」

 NTTドコモが9月18日に開催した、次世代高速通信規格「5G」に関する記者会見。吉沢和弘社長は20日に開始する「5Gプレサービス」についてこう強調した。2020年春に始める一般向けの商用サービスに先駆けた試験サービスで、消費者の5Gへの関心を高めたり、外部企業との多様な新サービスの共同開発を促したりするのが狙いだ。

「実質的には5Gの本格サービス」とアピールするNTTドコモの吉沢和弘社長(左)

 当初の目玉となるのは、同じく20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会での試験サービスだ。スタジアムに5Gの基地局を設置し、複数の中継カメラによる高精細な試合映像を5G回線経由で会場内の5G端末にリアルタイム配信する。フィールド全体の映像とゴール近くの映像など複数のアングルを2つの画面で同時に視聴できるようにするなど、新たな観戦スタイルを提案する。

ラグビーW杯を舞台に5Gを活用した新たな観戦スタイルを訴求

 そのほか2020年春までに東名阪のドコモショップ4店舗でVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術を利用したゲームなどを体験できるようにする。試験端末としてはスマートフォン3機種、データ通信専用端末1機種を計7000台用意する。

ソニーモバイルコミュニケーションズと韓国のサムスン電子やLG電子がスマホ、シャープがデータ通信専用端末を供給

 国内携帯電話会社のうち、5G試験サービスの一般公開で先陣を切ったのはソフトバンクだ。7月下旬に音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '19」の会場、8月22日にはさいたまスーパーアリーナで開催されたバスケットボール日本代表国際試合でお披露目した。

 ただし通信設備は商用サービス向けではなく実験用だった。一方のNTTドコモは「5Gプレサービスで使う基地局や電波を来春の商用サービスでそのまま使う」(吉沢社長)といい、来春以降と同じ通信環境で5Gを先行体験できると訴求する。

 加えて、5G設備の展開を当初計画より前倒しする方針も明らかにした。20年6月末までに全国47都道府県に5G基地局を設置し、1年後には計1万局の5G基地局を設置する計画だ。ソフトバンクもエリア展開を前倒しするとみられ、5Gは試験段階から大手のつばぜり合いが始まっている。

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