米アップルが9月14日(米国時間)に新型スマートフォン「iPhone13」シリーズを発表した。日本や米国では17日に予約を開始、24日に発売する。1年に一度の「お祭り」だけに、発表直後からSNS(交流サイト)上では熱狂するファンの書き込みが相次いだ一方で、進化の乏しさに失望する声も目立った。

米アップルが9月14日(米国時間)に発表した、新型スマートフォン「iPhone13」シリーズ
米アップルが9月14日(米国時間)に発表した、新型スマートフォン「iPhone13」シリーズ

 今回の13シリーズは確かにサプライズに乏しい。アップルはこれまでiPhoneの機能を刷新した翌年は小幅のアップデートにとどめてきた。昨年発表の「iPhone12」シリーズでは、同社で初めて高速通信規格「5G」に対応するなどフルモデルチェンジを実施。今回の13シリーズは、12シリーズのブラッシュアップ版と予想されていた。

撮影機能を大幅強化

 主要な仕様は軒並み強化されている。最大の特徴がカメラだ。

 主力機種で6.1型画面搭載の「13」と5.4型の「13 mini」は2個、上位機種である6.1型の「13 Pro」と6.7型の「13 Pro Max」が3個のカメラを搭載するのは12シリーズと変わらない。

 高めたのは撮影機能。12では上位機種のみに搭載していた「センサーシフト式」の光学式手ぶれ補正機能を備えた。動画撮影では、AI(人工知能)で被写体の動きを解析し視線を向けた先にフォーカスを合わせるような「シネマティックモード」と呼ぶ機能が新たに追加された。

動画撮影の際に、視線を向けた先にAIがフォーカスを合わせる「シネマティックモード」機能を搭載した
動画撮影の際に、視線を向けた先にAIがフォーカスを合わせる「シネマティックモード」機能を搭載した
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 有機ELディスプレーのサイズや解像度は12シリーズと同じだが、明るさを向上させた。記録媒体の容量も最低64ギガ(ギガは10億)バイトから128ギガバイトに増えた。電池容量も増加し、省電力化を図ったことで駆動時間が延長。1回の充電で13は2時間半、13 miniは1時間半長く使えるようになった。

 主要部品が進化を遂げた一方、13 miniの最低価格は前モデルと同じである699ドルからに据え置いた。スマホ市場が成熟する中で、買い替えを促したいアップルの思惑が透ける。

5G対応の国や地域は拡大するが……

 一方で、複数の関係者が「予想外」だったと口にするのが「5G」への対応だ。

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