全1350文字

 UCCホールディングス傘下のUCC上島珈琲とウォーターサーバー事業の富士山の銘水(山梨県富士吉田市)は、コーヒーの抽出機能を内蔵したウォーターサーバー「フレシャス・スラット+カフェ」を共同で開発し、13日から申し込み受付を開始した。UCC上島珈琲が2015年に発売したカプセル式コーヒーメーカー「DRIP POD(ドリップポッド)」の抽出機能を、富士山の銘水のウォーターサーバー「FRECIOUS Slat(フレシャス・スラット)」に内蔵させた。フレシャスの天然水でUCC上島珈琲のカプセル型コーヒーを抽出できる仕組みだ。価格は税抜き6万円。レンタルプランもあり、月1200円で利用できる。今後3年間で5万台の出荷を目指す。

UCC上島珈琲と富士山の銘水が共同で開発した「フレシャス・スラット+カフェ」。左側の抽出口からコーヒーが出てくる

 共同開発の経緯について、富士山の銘水の小鹿大輔・取締役業務本部長は「当社が実施したアンケート調査で、ウォーターサーバーに内蔵してほしい機能として、コーヒーの抽出機能を求める顧客の声が多かった」と話す。当初は同社が独自でコーヒーの抽出システムを開発しようとしていたが難航。ちょうどUCC上島珈琲も「コーヒー豆や粉は最高の物を提供できるが、水へのアプローチが足りない」(UCC上島珈琲の大内和夫・取締役ドリップポッド事業担当)と課題を抱えており、共同で開発することになった。

 ターゲットは、共働きの家庭と、小規模な事業者。富士山の銘水のウォーターサーバーは95%以上が家庭向けのため、当分は家庭に対して提供していくが、将来的にはオフィス向けにコーヒーメーカーの導入を進めているUCC上島珈琲の販路も使い、法人向けにも提供したいという。

記者会見する富士山の銘水の小鹿大輔・取締役業務本部長(左)と、UCC上島珈琲の大内和夫・取締役ドリップポッド事業担当。それぞれの強みを生かした製品を開発した

 当面、「フレシャス・スラット+カフェ」は、富士山の銘水が販売し、UCC上島珈琲が得るのはカプセルの売り上げとなる。だが、UCC上島珈琲のカプセル式コーヒーメーカーの認知度向上にはつながるだろう。同社は15年にカプセル式コーヒーメーカーの「ドリップポッド」を発売し、10万台強まで拡大した。

 ただ、日本のカプセル式コーヒーメーカー市場では、ネスレがトップシェアを誇る。同社は07年に「ネスカフェ ドルチェグスト」を日本で発売し、累計出荷台数はすでに300万台を超えた。ネスレ日本も昨年、ウォーターサーバー事業のアクアクララと共同で、ウォーターサーバーとコーヒーメーカーが一体になった機器「アクア ウィズ」を開発しており、フレシャス・スラット+カフェとは競合関係になる。

 日本のコーヒー消費量は増加傾向にあり、18年は11年比で1割増加している。GfKジャパン(東京・中野)の調査によると、15年時点のコーヒーメーカーの販売台数は11年比で3割増えており、家庭やオフィスでのコーヒーメーカーの普及がコーヒー消費量増加の一因と考えられる。UCCグループにとっては、喫茶店やカフェチェーン向けに豆を売るだけでは貴重な成長機会を逃しかねない。ただ、コーヒーメーカー市場で盤石な地位を築いているネスレの牙城に迫れるかは未知数だ。

タグ「1分解説」をフォローしませんか

旬の話題やニュースを分かりやすく手短に解説。フォロー機能を設定すると、「1分解説」タグが付いた記事が配信されると画面上で通知されます。「#1分解説」でフォロー機能を設定できます。