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 北海道を地盤とするドラッグストアのサツドラホールディングスは9月11日、来店客の動きを分析するためのカメラを96台設置した店舗を公開した。商品を納入するメーカーが自社負担で設置したカメラも置き、マーケティングデータとして共有する。サツドラの杉山英実インキュベーションチームリーダーは「サツドラは単なる地方のドラッグストア。このままではどこかにくっつくしかないが、ビジネス多角化で生き残りを図る」と新事業への意気込みを語る。

店内の通路に設置。どの棚の前でどのような属性の来店客がどのくらいの時間滞在したかといったデータを収集する

 公開した「サツドラ月寒西1条店」は面積が380坪で、同社としては標準的な店舗だ。通路の天井につるされたカメラにより、来店客の性別や年代などの属性を判断。店内での動きをデータ化する。パナソニックのカメラと解析ソフトを使用している。

 サツドラは2018年5月から、店内にマーケティング用のカメラの設置を始めた。「店としてはお客様にぐるっと一周回ってもらいたいが、実際に回ってもらえているのかこれまでは分からなかった」と杉山氏は言う。

 カメラのデータを解析すると、入店して突き当たりの棚まで行く客は45%程度にとどまり、「半分も行っていなくてショックだった」(杉山氏)。そこで入り口付近の棚の向きを変えるなどレイアウトを変更したが、ほとんど変わらなかったという。サツドラはカメラで撮影したデータを基に試行と検証を繰り返し、最適な店舗のレイアウトなどを探る。

 月寒西1条店に設置された96台のカメラのうち、42台はサントリーなど取引先のメーカーが費用を負担して設置している。個別の商品の動きを知るためだ。

 サツドラは傘下にAI(人工知能)の開発を手掛けるAWL(東京・千代田)を持つ。「リアル店舗の情報は資産」(杉山氏)と位置づけ、カメラなどから得たデータを今後小売企業に販売する方針だ。

 ドラッグストア業界は成長を続けてきたが、頭打ち感が出ている。マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合交渉に入るなど、大手同士のM&Aも始まった。サツドラは北海道で200店舗を展開し、ツルハホールディングスに次ぐシェア3割を占めるが、ドラッグストアとしての成長が鈍化していることに対する危機感は強い。小売り以外の事業多角化を目指している中で、店舗から得たデータを新たな「商品」にしたい考えだ。

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