「もっとiPhoneの値段を下げてほしい」「やっぱり廉価版iPhoneの発表はないのか」

日本時間の9月11日未明、米アップルが新型iPhoneの3機種を発表した途端、SNS(交流サイト)ではiPhoneの価格に関する書き込みが相次いだ。新型のスマートフォンが軒並み⾼額化する中で、価格への不満が⼤きくなっている。
iPhoneの価格の高さは以前からも指摘されており、アップルもそれを認識している。今回も、2017年の発売時に699ドルだった「8」を449ドルまで値下げして新機種と併売することを発表した。さらに、新機種のラインアップの値付けからもアップルの苦しい価格戦略が浮かぶ。
今回、アップルが発表したのは「iPhone 11」と「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」の3機種。価格はそれぞれ699ドル、999ドル、1099ドルからとなる。2018年のラインアップと並べると、「11」が「XR」に、「11 Pro」が「XS」に、「11 Pro Max」が「XS Max」に対応する形だ。
18年のラインアップでは「XS」が「メーン機種」で、「XR」は廉価版の位置づけとみられてきた。だが「11」シリーズでは上位機種を「Pro」と名付けたように、「11」がメーン機種のようだ。昨年の廉価版の「後継機種」をメーンとした形だ。さらに「11」は749ドルからだった「XR」と比べ、50ドル安くなった。こうした値付けからは「高すぎる」という消費者のイメージを何とか払拭したいというアップルの思惑が透ける。
新興国向けの格安スマホを日本のアマゾンで販売
そもそも、今回の発表では目新しさは少なかった。カメラのトリプルレンズ化、半導体チップの高性能化、カラーバリエーションの追加など、進化の方向性としてはライバル機種の後追い感が否めない。
アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は同日の発表会で「これまでで最もパワフルで最も先進的なiPhoneを開発した」と胸を張ってみせたが、次世代通信規格(5G)や指紋認証によるロック解除には非対応と、見劣りする点もある。
さらに、消費者の行動にも異変が起こっていることも見逃せない。高額なスマートフォンを避けるように、インドなど新興国向け商品(1万~2万円)を日本で買う動きが広まっているのだ。例えば、サムスンの新興国向けモデル「Galaxy A10」は通販サイトを通じて約1万5000円で購入できる。

「Umidigi」、「Elephone」といった中国の新興格安スマホメーカーもアマゾンでSIMフリー端末を日本向けに販売し始め、じわり市民権を得つつある。実際、格安スマホの購入方法を紹介するサイトや、輸入代行業者も登場している。
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