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 牛丼チェーン大手の「松屋」を運営する松屋フーズホールディングス(HD)は9月3日夜、牛めし並盛について10月の消費税率引き上げ以降、店内飲食と持ち帰りの税込み価格を統一することを明らかにした。牛めし並盛の現行の税込み価格は320円、首都圏で販売する「プレミアム牛めし並盛」は同380円だが、増税後もこれらを据え置く。現在の本体価格はそれぞれ297円と352円で、店内飲食の場合はこれを6円ずつ引き下げる。店内飲食については実質的に松屋側が増税分2%を負担する形を取った。

 同日には同じく大手の「すき家」が店内飲食と持ち帰りの税込み価格統一を発表したばかり。松屋は券売機で食券を購入する形式を取っている。「券売機での精算では1円単位の計算が困難」という理由から、同社はかねて、8%か10%、どちらか一方の税率に税込み価格を統一させる意向を示していたものの、「正式発表は9月中旬」としていた。

(参考記事)
「店内でも持ち帰りでも同一価格」のすき家に吉野家が大反論

 急きょ、店内飲食の際の本体価格を引き下げる形で税込み価格を統一することを明らかにしたのはなぜか。松屋フーズHDの広報担当者は「ネットや一部メディアで(松屋の)軽減税率対応について誤った情報が流布されているため」と理由を明かす。

 確かにSNSなどでは「(松屋は店内飲食の本体価格を引き下げるのではなく)持ち帰り用の本体価格の値上げで(税込み価格の)統一を図る」「持ち帰り用の価格を『包装費』名目で値上げする」といった情報が流れていた。ちなみに消費者庁などが昨年5月に公表したガイドラインでは、「価格設定は事業者の任意」として、箸や容器包装などのコストを上乗せすることでテークアウト用商品の価格を高く設定し、税込み価格を店内飲食と同一にすることを認めている。

 すき家が消費者の分かりやすさを重視し、税込み価格の統一を図ると発表。一方、吉野家は「牛丼並盛の価値は1つ」として、店内飲食時と持ち帰り時の本体価格を変えない方針を打ち出している。ライバル2社が方針を明確にしたことで、松屋の動向に注目が集まる中、「値上げ」とも受け取れる「噂」がひとり歩きし、顧客が離れるのを避けたかったのだろう。松屋は「正式な発表はあくまで9月中旬であり、本体価格を(店内飲食と持ち帰りで)別にした理由や背景をお答えできない」としている。

 これで牛丼大手3社の消費税の軽減税率への対応が固まった。外食産業では、ファストフードの雄である「マクドナルド」の方針が決まっていない。同社は9月上旬に軽減税率について発表予定としているが、4日時点は「調整中」との回答だった。税率引き上げ前後の消費動向に直結するだけに、外食各社は情報発信を含めて慎重な対応を取らざるを得ないようだ。

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