菅義偉官房長官が2日に自民党総裁選への出馬を表明し、携帯電話料金の値下げに言及した。以前から携帯電話の料金引き下げを提唱してきた菅氏が首相になれば引き下げ圧力が一段と高まる可能性がある。とはいえ、政府が取り得る手段は限られる。結局は大手通信事業者の勝ち逃げになりそうだ。

菅氏は自民党総裁選への出馬を表明した2日の会見で、携帯電話料金の値下げに継続的に取り組む考えを示した(写真:共同通信)

 「上位3社が約9割の寡占状態を維持しており、世界でも高い料金で、20%もの営業利益を上げている。事業者間で競争がしっかり働く仕組みをさらに徹底させたい」。菅氏は2日の会見でこう述べ、携帯電話料金の引き下げに力を入れていく意向を示した。

 総務副大臣や総務大臣を経験した菅氏は、18年に「携帯電話料金は4割程度引き下げる余地がある」と発言。菅氏の発言に沿う形で、総務省は大手とMVNO(仮想移動体通信事業者)の競争を促進させる政策を打ち出してきた。

 19年10月の電気通信事業法改正では、2年ごとに契約を自動更新させる「2年縛り」や、端末代金の一部を通信料金から割り引く「端末購入補助」などを禁止した。高止まりする大手の通信料金を下げる狙いで、大手と比べて資金力が弱く、端末代金を割り引く原資がないMVNOからも「同じ競争条件で戦える」(あるMVNO関係者)と歓迎する声が出ていた。

 しかし、大手にダメージを与えるどころか、むしろ利益が大手に集中してしまう逆効果が生じている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1411文字 / 全文1990文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「1分解説」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。