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生徒一人ひとりにあった教材をリアルタイムに作成するAI教材「アタマ先生(atama+)」

 「入試制度が大きく変わり生徒の学力格差が広がる中、きめ細かい指導を提供しなければ、生徒一人ひとりにしっかり向き合うことはできない。生徒一人ひとりに合った教材をリアルタイムに作成してくれるAI(人工知能教材)は外せない」

 こう話すのは、大手予備校の駿台予備学校などを展開する学校法人、駿河台学園(東京・千代田)の山畔清明専務理事。駿河台学園は9月4日までに、AI教材を得意とするスタートアップ企業のatama plus(アタマプラス、東京・中央)と、AI学習教材を共同展開することに合意したと発表した。

駿河台学園の山畔清明専務理事(右)とatama plusの稲田大輔代表取締役

 駿河台学園は、1年半前からアタマプラスのAI教材「アタマ先生(atama+)」を試験的に導入し効果を検証してきた。その結果、アタマ先生を使ったグループと使わないグループの違いがはっきり出た。前者のグループのほうが偏差値の伸びが高かったのだ。

 アタマ先生は、高校生・既卒生向けの数学や英語、物理、化学、中学生向けの数学、英語に対応している。現在、塾など全国500教室以上で使われており、平均習得時間(習得までの時間)は高校の「数1」で16時間、高校の「数A」で15時間。ちなみに学習指導要領で規定されている学校の授業時間は、数1と数Aの合計で146時間なので、5分の1程度に短縮できる。

 アタマプラスによれば、2018年のセンター試験(数1A)で、アタマ先生を導入したクラスの受験生の得点は平均で50.4%増だったという。この伸び率の比較対象は受講前(2017年12月末)の過去成績。2週間で平均14時間45分(1日当たり63分)の学習結果だった。「アタマ先生によってセンター試験で8割以上の得点を確保できるレベルへの基礎知識にかかる時間を大幅に短縮できる」(アタマプラスの稲田大輔代表取締役)という。