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 第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が8月30日まで横浜市で開催された。民間主導によるアフリカの成長を掲げて諸外国に先駆けて1993年に始まった会議で、近年は3年ごとに開かれている。

 「6年前(日本で開催した第5回)に比べて倍近い人出だ。日本企業はアフリカのビジネスに大きな可能性を見いだしている」。安倍首相は29日のビジネスフォーラムで、日本のアフリカに対する「熱気」を強調した。

8月30日まで第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催された

 今回のTICADでは、商社や電機など日本の156社・団体がアフリカで手がける事業を紹介した。また、アフリカ発のスタートアップ10社のピッチイベント(投資家に売り込む事業案発表会)や、医療や農業分野の先端技術でアフリカ進出を目指す日本の中小企業8社のプレゼンテーションも行われた。アフリカ54カ国で事業を展開する豊田通商の和田明アフリカ企画部長は、「協業を求める国内外の中小企業の勢いはかつてないほどだ。名刺が初日の1~2時間でなくなった」と話す。

 ただ、会議の熱気とは裏腹に「日本のアフリカビジネスは低調と言わざるを得ない」(日本貿易振興機構=ジェトロ=の佐々木伸彦理事長)のが実情だ。主要国のアフリカへの直接投資残高(2017年末)はフランスが640億ドルで1位、2位以下もオランダ、米国、英国と欧米勢が続く。アフリカで存在感を高める中国は5位。13年末から約7割増えて430億ドルに達した。日本は約3割減の78億ドルで10位以内に入らない「圏外」だ。

 アフリカ向け輸出では中国の強さが際立つ。18年の輸出額は711億ドルで主要国でトップ。08年比で49.3%も増えた。携帯電話や通信インフラを果敢に売り込んだ成果だ。伸び率ではインド(5位)が81.2%増と目立つ。日本は27.2%減の108億ドルで16位。ジェトロは「世界平均(17.2%増)と同水準で伸びる可能性があったと考えると、日本は67億ドルの機会を損失したとも言える」と危機感をあらわにする。

 国際協力銀行(JBIC)での勤務経験がある、第一生命経済研究所の西浜徹・主席エコノミストは「電機産業の衰退は大きい」と分析する。1970~80年代は日本から家電をアフリカに送り込んでいたが、業績低迷で余裕を失った。海外進出で先んじるはずの製造業が足踏みしたことに加え、成長が早く、日本から距離が近い中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)への投資を優先したことも影響した。「自動車一本足打法になっていることで、日本のアフリカでのプレゼンスが減退しているのは間違いない」とジェトロ幹部は言う。

 日本は巻き返せるのか。成功のためのキーワードになりそうなのが「第三国連携」だ。アフリカ進出の拠点や人脈、ノウハウを持つ他国の企業と日本企業が連携して、事業の拡大を目指す考え方である。

豊田通商はアフリカ専門商社の仏CFAOを完全子会社化

 例えば、豊田通商は12年に出資して後に完全子会社化したアフリカ専門商社CFAOを通じて、ビール大手のハイネケンと合弁会社をつくり、コンゴ共和国とコートジボワールでビールの醸造・販売事業を展開している。グローバルブランド「ハイネケン」でなく、現地の素材を使い、コストを抑えた地元ブランドビールを手がけることで普及に成功した。

 三菱商事は8月28日、アフリカの送電網が未整備の地域で分散電源を展開する英BBOXX(ビーボックス)に資本参加すると発表した。「中国がインフラ構築で先行したのはもう仕方がない。『インフラを整えてくれてありがとう』という気持ちで、それを基盤にサービスを送り込めばいい」。西浜氏はそう指摘する。「最後のフロンティア」で日本が果実を得るには、自前にこだわらない柔軟な姿勢が求められている。

■変更履歴
掲載当初、日本の直接投資残高を「約2割減の87億ドル」としておりましたが、「約3割減の78億ドル」に訂正します。本文は修正済みです [2019/09/02 18:20]

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