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 愛知県は2016年に愛知県内の有料道路路線の運営権を前田建設工業を中心とする企業グループに売却した。その成果は大きく、運営権を売却してからの3年間で想定を上回る利益を上げている。

 今回、愛知県はグローバルに展示場運営を手がける仏GLイベンツと前田建設の合弁企業に運営権を売却した。有料道路で採用したコンセッションを展示場まで拡大したのは、民間運営の破壊力を身をもって知ったためだ。「できるだけ多くの施設に拡大していきたい」と大村秀章知事は語る。

 15年の運営権を約9億円で取得したGLイベンツにも思惑がある。

 GLイベンツはスポーツだけでなく、国際会議やコンベンション、ライブ運営など幅広いジャンルの企画・運営を手がける。リオデジャネイロ五輪(2016年)やFIFAワールド杯(2014年)など世界規模のイベントを成功に導いた実績を持つ。

 さらに、企画・運営のみならず、イベントの際のパビリオンの設計や建設、イベントで使用する座席やトイレ、空調など仮設設備の世界的な大手でもある。まさに、イベントの川上から川下まで全てを手がけるイベントの世界的プレーヤーだ。

 そんな彼らがAichi Sky Expoの運営に手を上げたのは、東京に次ぐ経済規模を誇る愛知県の潜在力を評価したからだ。「愛知県は世界的な産業都市。加えて、空港の敷地内にあるため利便性は抜群で、建物の魅力も高い」。GLイベンツ傘下で会場運営事業を手がけるGLイベンツVenuesのクリストフ・シズロンCEOはAichi Sky Expoを評価する。

 同時に、日本市場での橋頭堡を築くという意味もある。日本は欧米や中国に比べて展示場が圧倒的に少ない。今後、日本ではカジノを含む統合型リゾート(IR)が動き始める。IRにはカジノだけでなく、ホテルや国際展示場などMICEも併設される。そういったMICE運営にも可能性を感じているのだ。

 自治体所有の施設は全国にある。ただ、自治体による施設運営は「武家の商法」に近く、餅は餅屋に任せる方がいい。愛知県が先陣を切ったコンセッション。今後の拡大が期待される。

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