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カフェインを多く含んだ「エナジーバーグ」。玉露を練り込んでいるため緑色をしている。山椒(さんしょう)をかけて食べると違った味わいになる

 これまでに目にしたことがない、緑色のハンバーグ。聞けば、玉露が入っているという。食べるのがためらわれる見た目だが、思い切って口に運ぶととてもおいしい。

 それもそのはず、このハンバーグを開発したのは高級肉料理店「格之進」を展開する門崎(かんざき、岩手県一関市)だ。国産牛肉と豚肉を使った同社の人気商品「金格ハンバーグ」をベースに開発されたこの緑色のハンバーグは「エナジーバーグ」という。

 ハンバーグ1個当たりに含まれるカフェイン量は87.5mg。代表的なエナジードリンク「Red Bull(レッドブル)」とほぼ同量だ。このハンバーグにはカフェインに加えて、テアニン、カテキン、オメガ3脂肪酸なども含まれている。「ストレスの軽減やパフォーマンス向上を目的として開発された体験型食品」(門崎の千葉祐士社長)という。

 開発に当たって組んだ相手も異色だ。VR(バーチャルリアリティー)の映像コンテンツを手掛けるベンチャー、ハコスコ(東京都・渋谷区)。同社の藤井直敬社長CEO(最高経営責任者)はもともと脳科学の研究者で、医学博士でもある。

 ハコスコは2019年5月、VRコンテンツなどを通じてストレスや心身の不調を和らげるサービス「GoodBrain」を始めた。高齢者の健康促進、認知症や精神疾患などの予防を目指す。例えば、高齢者にVRで旅行コンテンツを体験してもらうと、新たな刺激を受けるとともに、景色を眺めるために体をひねるといったように簡単な運動にもなる。一緒にVR旅行を体験した人との会話が弾めば、認知症の予防にもつながるとみている。

 「VRは視覚と聴覚の刺激に限られてしまう。それ以外の五感である味覚、嗅覚、触覚の刺激という観点でGoodBrain事業を考えたとき、今回のエナジーバーグの共同開発に行き着いた」と藤井社長は語る。今後は嗅覚を刺激するアロマを活用したリラクセーションサービスも検討しているという。

門崎の千葉祐士社長(左)は、新商品の販売促進も見込んでVRベンチャーのハコスコの藤井直敬社長(右)とタッグを組んだ

 エナジーバーグは現在、クラウドファンディングサービスの「CAMPFIRE」で支援者を募り、資金調達を進めている。10月下旬をめどに支援者に発送し、11月には一般販売も始める予定だ。「価格は1個400~500円を想定している」(千葉社長)とし、エナジーバーグに続く商品開発も進めていくとしている。

 異色なタッグから生まれた緑色のハンバーグ。食の世界にテクノロジーが融合するFoodTech(フードテック)が世界中で広がりを見せている中で、今後、こうした協業が増えていきそうだ。

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