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(写真:日刊工業新聞/共同通信イメージズ)

 ファミリーマートは8月23日、営業時間短縮(時短)実験の参加希望店向け説明会を東京都内で実施し、約300人のフランチャイズチェーン(FC)加盟店オーナーらが参加した。同社は既に東京、秋田、長崎の計24店舗で時短営業の実験を実施しているが、今回は最大700店まで実験を拡大する予定。実験に参加する店舗は10月中旬以降、毎日ないしは週に1回、午後11時から午前7時の間で休業時間を設定し、店を閉める。ファミリーマートは12月中旬の実験終了後、営業時間や加盟店との契約内容などについて方向性を示すという。

 ファミリーマートは6月から24店舗で行っている時短実験を「第1次」、今回を「第2次」と位置付けている。第1次の実験は参加店が限られており情報量が不足していたため、「より検証を深めるため」(同社)に実験規模の拡大を決定した。

 同社は第1次実験の成果として「開閉店時間の設定の重要性」「立地環境による違い」「時短営業の準備、勤務スケジュールの見直しなど店舗オペレーション面での課題」が明らかになったことを挙げている。今回の第2次実験では、参加店舗の収益や店舗オペレーション、物流・納品のオペレーションと経費を検証するとしている。最大700店という店舗数については「物流に影響の出ない範囲」で設定されたという。

 この日の説明会には、沢田貴司社長ら経営幹部が出席し、加盟店オーナーらの質問に答えた。参加者したオーナーからは「繁忙期は24時間営業、休眠期は閉めるといった柔軟な対応を」「オーナーの見えない労働時間の検証をしてほしい」などの意見が上がった。

時短実験の参加希望店説明会の後、報道陣の質問に答えるファミリーマートの沢田貴司社長(左)

 また「(実験終了後に)加盟店との契約内容に変更は生じるのか」という質問に、出席した加藤利夫副社長は「FC契約、営業時間も含めて12月に見極める」とした上で「ファミマとしては24時間365日の大前提は変わらなければならないと思う。その集大成が12月だ」と語った。沢田社長も「コンビニエンス業界、日本の流通、社会は変わってきている。全てを見直してやる覚悟だ」と話した。

 コンビニの24時間営業を巡っては、ローソンが8月23日に横浜市磯子区の店舗で午前0時から午前5時まで、売り場に店員を配置しない「スマート店舗(深夜省人化)」の実験を開始した。防犯や物流面の課題、売り上げの推移などを検証し、拡大展開を検討するという。ファミマも「夜だけセルフレジで営業する店舗のオープンは考えている」としている。

 ファミマは6月に全国約1万5000の加盟店に対して時短営業に関するアンケートを実施している。回答した1万4572店舗のうち、時短営業を「検討したい」と回答したのは48.3%、「検討しない」は48.8%だった。時短営業を希望する理由としては「深夜帯の客数が少なく収支改善可能」と「人手不足」が多かった。一方、時短営業を検討しない理由としては「売り上げへの悪影響がある」との回答が46.6%と最も多かった。24時間営業への限界を感じているオーナーがいる一方で、収益を損ねたくないとの意見も依然として根強く、コンビニ各社は柔軟な対応を迫られそうだ。

■変更履歴
本文中「定員」としておりましたが、「店員」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです [2019/08/27 12:20]

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