アフラック生命保険が生命保険のオンライン営業に乗り出した。契約をオンラインで完結できるのは生保業界では初めてという。新型コロナウイルス対策にも見えるが、実は「コロナ以前から進めていたプロジェクト」(アフラック)。デジタルトランスフォーメーション(DX)に積極的に取り組む中で生まれた成果の1つだった。

 アフラック生命保険は8月上旬から、スマートフォンなどを使って面談してオンラインだけで生命保険の申し込み手続きを終えられるサービスを開始した。まずは自社のコールセンターで開始し、10月から保険代理店に展開していく予定だ。

 生命保険の多くは契約内容の複雑さもあり、現在も対面営業が主流だ。国内生保大手は「生保レディー」と呼ばれる営業職員が販売を担っており、アフラックも代理店を通じた対面販売がメイン。新型コロナの感染拡大が続き対面営業が難しい中、アフラックは国内初のサービスを武器にオンライン営業を強化していく。

オンライン営業のデモの様子。スマホとオペレーターの画面を共有できる
オンライン営業のデモの様子。スマホとオペレーターの画面を共有できる

 実際のオンライン営業の流れはこうだ。まず、顧客がコールセンターに電話をかけると次のような音声が流れる。

 「おかけいただいている電話機がスマートフォンの場合、インターネットでの各種お手続き方法、よくあるご質問をショートメッセージでご案内できます。ショートメッセージをご希望の方は『1』を、ご希望でない方は『2』を押してください」

 「1」を押し、スマホに届いたショートメッセージにあるURLをタップすると、「給付金・保険金の請求」や「各種変更手続き」といった問い合わせ項目をメニューとして表示。顧客はメニューを選択していくとオペレーターにつながる。「すべてを音声で案内するのに比べて、オペレーターと会話するまでにかかる時間を短縮できる」(アフラック)という。

 オペレーターにつながったらオンラインでの営業活動が始まる。音声通話による保険商品の案内だけでなく、パンフレットなどの画面を共有しながら説明できる。オペレーターが案内している該当ページを共有できるだけでなく、ポインターで示したり、文字を書き込んだりする様子を共有することも可能だという。

 最後に、顧客がスマホ画面に指で署名することで申し込みが完了する。オンラインでの説明から契約締結までの一連の処理は、イスラエルのスタートアップの技術を活用して実現した。

2年前からDXを加速

 コロナ禍で大手生保もオンライン営業を模索する中で先手を打った格好だが、今回の取り組みは「コロナ以前から進めていたプロジェクト」(同社)という。アフラックは2018年4月の日本法人化をきっかけにDXを加速させており、今回のオンライン営業もDXの取り組みの1つだった。

 AI(人工知能)による音声分析やキャッシュレスへの対応など、顧客だけでなく社内向けの案件を含めると、今回を入れて10もの施策を実現済みだ。社内の業務部門とIT(情報技術)部門が連携しながら進めるプロジェクトを多数立ち上げ、次々に成果を出す「DX巧者」と言える存在だ。今年2月に公表した初の中期経営計画でも、「『生きる』を創るリーディングカンパニー」に向けてデジタルイノベーションを積極的に推進すると表明した。

 オンライン営業は「まだ始めたばかりの段階」(アフラック)で、効果が出るのはこれからだが、全国の代理店展開に向けた準備を着々と進めているという。新型コロナで営業スタイルが大きく変わろうとしている生保業界で、アフラックは台風の目のような存在になるかもしれない。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
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