すかいらーくホールディングス(HD)が外食離れに苦しんでいる。

 新型コロナウイルス感染の広がりによって客足が減り、8月13日に発表した2020年1~6月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が189億円の赤字(前年同期は53億円の黒字)と苦戦した。ガストで一時的にハンバーグステーキを299円に値下げするなど低価格戦略を打ち出したが、思うほど効果は出なかった。

 稼ぐ力の回復に時間がかかれば、2006年にMBO(経営陣が参加する買収)をした際に発生したのれんについて減損処理するリスクが高まる。

デリバリー事業拡大に意欲

 売上高に当たる売上収益は前年同期比26%減の1390億円だった。売り上げ減少に伴い、生産や物流の効率が悪化。粗利率が低下して営業損益は180億円の赤字に転じた。

 財務にも黄色信号がともった。今回、決算短信に「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している」と開示した。これは6月末、収益力低下によって借入金に関する財務制限条項に引っかかったことを指している。長期借入金を、1年以内に返済期日が来る短期借入金に移すことになり、短期借入金の残高は19年末からわずか半年で約7.3倍の1339億円に急増した。

 「デリバリー空白エリアはまだ数多い。ここを埋めていく」。オンライン決算説明会で、同社の谷真会長兼社長はコロナ禍でも前年同期比20%増と伸びたデリバリー事業拡大に意欲を示した。

 例えば7月には都内の中央線沿線のある地域でジョナサンをガストに業態転換してデリバリーを開始した他、ガストの配達店を再編。これまで配達できなかった地域で配達できるようにした。8月初旬にはガストやバーミヤン、藍屋など9つのブランドの269店舗で出前館のシェアリングデリバリーを導入するなど対策を打った。

「今後を占う2つの実験をした」

 デリバリーは連結売上高のうち10%、持ち帰りは7%を占めた。ただし、これらのメニューを増やして利便性を高めるほど、皮肉にも店内で食べる意味合いは薄れる。このジレンマを乗り越えるために、カギとなるのが商品戦略だ。

 コロナ禍の中、谷氏は「ガストで、今後を占う2つの実験をした」と言う。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
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