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WSJは「新しさのない新しいもの」と酷評

 特に辛口だったのがニューヨークの地元紙だ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「サムスン電子は『新しさのない新しいもの(same new thing)』をもはや好まなくなっている消費者を、ノート10で魅了したいと望んでいる」と評価。ニューヨークタイムズは「イヤホンジャックをなくしたアップルやグーグルのスマホをちゃかしていたサムスンが、ノート10で同じことをした」とのAP通信の記事を掲載して皮肉った。

普段はバスケットの試合などが開催されるブルックリンのバークレイズ・センター。イベントはここで開かれた

 米国でこうした評価を受けたことは、日本政府による輸出管理の厳格化の影響を受けるサムスン電子にとって危機的状況とも言える。

 7月に発表した同社の19年4~6月期決算は、売上高が前年同期比4%減の56兆ウォン(約5兆1000億円)、営業利益は同56.2%減の6.5兆ウォンの減収減益だった。米中貿易摩擦による中国の華為技術(ファーウェイ)への半導体出荷減などに加え、本のように折りたためるスマホ「ギャラクシーフォールド」で不具合が見つかり、発売を同年9月に延期したことも響いた。

 サムスンが2019年後半の業績回復の切り札に位置付けていたのがノート10だった。だが、米メディア評と同様に消費者からの評価も厳しく、ノート10の売れ行きが芳しくなければ、業績回復は見込めない。さらに日本からの半導体材料の輸入に手間取ることがあれば、半導体事業の売り上げにも悪影響を及ぼしかねない。

 そんな同社に朗報が入ったのは、ノート10発表の翌日(米国時間)だった。日本で世耕弘成経済産業相が会見を開き、輸出管理厳格化の対象となっていた半導体材料の一部の出荷を許可したことを公表した。