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 「私はこんなことまでスマートフォンでできるなんて想像もしなかったの。ハロー? みんな、聞いてる?」

 2019年8月7日、米ニューヨークのブルックリンで開催されたサムスン電子の新型スマホの披露イベント「サムスン・ギャラクシー・アンパック2019」。写真投稿アプリの「インスタグラム」で18万人を超えるフォロアーを持つアーティストのシャーン・ダンテスさんは、外に設置されたデモンストレーション・エリアから会場の観衆にこう呼びかけた。

デモをするアーティストのダンテスさん。インスタグラムでは18万人を超えるフォロアーを持つ
イベントで披露された「ギャラクシーノート10」

 8月23日発売のサムスン電子の最新スマホ「ギャラクシーノート10」がこの日の主役だ。有機ELを使った6.3インチのディスプレーの「ノート10」と6.8インチの「ノート10プラス」の2種類が披露された。

 想定する顧客層の一例がダンテスさんのような若いインスタグラマーだ。スマホを三脚に置き、付属のスタイラスペンのボタンを押すと遠隔でシャッターが切れたり、スタイラスペンで円を描く動作をするとカメラがズームイン/アウトしたりする。若いユーザーがいかにも喜びそうな機能をふんだんに盛り込んだ。

 その中にこんな機能がある。スマホのカメラを起動させてスタイラスペンで画面の中に絵を描くと、画面に映る空間の中にその絵が3Dで浮かび上がる。スマホを絵に近づけると絵はアップになり、側面に動かすと絵を横から眺めることもできる。ダンテスさんは、こんなデモで会場を盛り上げようとしたが、歓声が一向に湧かなかったため、冒頭のような呼びかけにつながった。

 サムスンとしてみれば、最新の機能に自信があったに違いない。スマホ事業の高東真(コ・ドンジン)社長は壇上で「サムスンは技術革新の最先端を走っている」と胸を張った。だが、イベント後に出た米メディアの反応は真逆だった。

イベントでサムスン電子のスマホ事業を率いる高東真社長は「技術革新の最先端を走っている」と胸を張った