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 「CFO募集 ただし、18歳以下」

 ミドリムシの屋外大量培養技術を基に、健康食品の開発やバイオ燃料の研究を進めているユーグレナは2019年8月9日、朝刊広告で18歳以下のCFOを募集するプロジェクトを告知した。CFOといっても一般的に使われる「Chief Finance Officer(最高財務責任者)」ではない。「Chief Future Officer(最高未来責任者)」の略称だ。

 CFOの任務は国内外で開催される「持続可能な開発目標(SDGs)」関連イベントへの出席、ユーグレナの株主総会での活動内容発表など、多岐にわたる。選考を経て、19年10月にユーグレナと業務委託契約を締結する。応募資格は2020年3月時点で18歳以下、契約期間は2020年9月30日までの1年間となる。報酬も支払うという。

 企業ガバナンスに詳しい祝田法律事務所の西岡祐介パートナー弁護士は「未成年の柔軟な意見を経営に取り込もうとする動きで、コーポレートガバナンス・コードなどで提唱されている経営におけるダイバーシティの確保を一歩進めている」と評価。国内でも、あまり例のない動きだという。

 「現在の経営陣だけで将来の課題解決に向き合っていくのは不十分」。ユーグレナの永田暁彦取締役副社長は18歳以下のCFO募集に踏み切った理由をこう語る。

 ユーグレナは2018年10月に日本で初めてバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを建設。2025年までに廃食油とミドリムシを用いたバイオ燃料を年間25万キロリットル、2030年までに年間100万キロリットルを製造し、供給する体制を整えることを目標としている。

 先端技術を用いて社会課題を解決する事業を確立していく動きを「Deep Tech(ディープテック)」と呼ぶ。ディープテックは事業化までに時間を要するケースが多い。ユーグレナの事業はディープテック領域となるため、環境問題を“将来の自分ごと”として捉えられる世代の意見を経営に生かしたい考えが背景にあるようだ。

 未成年が取締役となることは会社法上、規制されていない。だが、未成年が取締役に就任する場合は親権者の同意が必要となるほか、未成年の就労に関しては労働基準法の制限を受ける。

 ユーグレナがこうした課題を乗り越えられれば、今年10月には東証1部上場企業の史上最年少のCFOが誕生することになる。

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