東京電力ホールディングス(HD)の9月の電気料金が、燃料価格の変動を反映する料金制度上の「上限」に達した。価格転嫁できないコストは電力会社の負担となるが、国の審議会では上限撤廃が事実上見送られている。電力業界からは、ガソリン補助金で支援される石油業界を妬む声が漏れる。

 「電気を売れば売るほど赤字が膨らむ。この状況がいつまで続くのか、先行きが見通せない」

 電力会社幹部は厳しい表情でこう話す。大手電力10社の2022年4~6月期決算は7社が最終赤字となった。ウクライナ危機などで、主力の火力発電所の燃料であるLNG(液化天然ガス)や石炭など燃料の価格高騰が続いている。

東京電力と中部電力が折半出資する発電会社、JERAのLNG(液化天然ガス)船。燃料の高騰が電気料金を押し上げている
東京電力と中部電力が折半出資する発電会社、JERAのLNG(液化天然ガス)船。燃料の高騰が電気料金を押し上げている

 電力会社を悩ませているのは、あらかじめ定めた水準以上の上昇に歯止めをかける電気料金の「上限」だ。電力会社の料金メニューには大きく、国の認可が必要な規制料金と、自由に決められる自由料金がある。上限が問題となるのは、規制料金のほうだ。

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