(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 日本経済新聞が7月29日、厚生労働省が個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の仕組みを一部変更すると報じ話題となった。

 「今までイデコが使えない会社員がいたのか」という年金制度に詳しい上級者の驚きから、「イデコはもちろん、そもそも年金の仕組みが難しくてさっぱり分からない」という初心者の戸惑いまで、インターネット上でも様々な反応があった。本記事では、このニュースの意味するところを、年金制度に詳しくない人にも理解できるようにかみ砕いて解説してみたい。

 まず、このニュースの前提となる、会社員にとっての年金の仕組みをおさらいしよう。

 多くの会社員は、最大で3つの年金制度に加入している。1つは日本国民の加入が義務付けられている「国民年金」、会社員が加入する「厚生年金保険」、そして「企業年金」だ。

 多くの場合、給与明細に掲載されるのは「厚生年金保険料」のみだろう。この厚生年金保険料には国民年金保険料も含まれているので、会社員が給与を割いて保険料を支払っているのは「国民年金」と「厚生年金保険」の2種。老後に給付を受けられるのは、それぞれから「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」となる。なお、厚生年金の保険料(掛け金)は会社と従業員が折半する仕組みになっているため、給与明細の見た目の倍の掛け金が年金プールに納められていると考えればよい。

 これに加えて、一部の企業が独自に設けているのが「企業年金」だ。多くの場合、掛け金を会社が拠出し、退職後に(元)従業員が給付を受ける。老後に「給付」する金額を決めて企業が運用する年金を「企業型確定給付年金(DB)」と呼び、就労時に掛け金として「拠出」する金額を定めて企業が運用する年金を「企業型確定拠出年金(DC)」と呼ぶ。

 企業(年金基金)は、働いている人たちが支払う保険料を集めて株式や債券で運用し、増やそうと試みる。DBの場合、運用は企業が担う。給付される金額が確定しているため、想定以上に運用益が出ても恩恵を受けられないが、運用損が出たり拠出と給付のバランスが崩れたりしても給付額が減らないというメリットがある。一方DCは、従業員が自ら運用する。大きく運用益を出すことができれば大きな給付を受けられるが、運用損のリスクも自らが負う必要がある。

 会社員の年金制度は「3階建て」と言われるが、上記のように「国民年金」「厚生年金保険」「企業年金」を指している。

 今回のニュースで話題になったイデコは、これらに加えて、個人で加入できる年金だ。多くの会社員はこれに加入することで年金を「4階建て」にできる、というわけだ。

 ただし、企業型とは異なり、イデコは掛け金の全額を自分自身で拠出するが、企業型と同じく、給付額(老後の引き出し可能額)は自身の運用成績次第で決まる。つまり、運用で拠出金を増やすことも可能だが、運用損を出したり期待リターンを下回ったりするリスクもある。

続きを読む 2/2

この記事はシリーズ「1分解説」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。