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複数の会場をつなぐ1.5kmの道では様々なモビリティーの試乗もできる

 日本自動車工業会(自工会)は7月30日、10月24日から11月4日まで開催予定の第46回東京モーターショー2019の開催概要を発表した。2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、11年以降メイン会場としてきた東京ビッグサイトの利用が制限される「厳しい」環境下での開催となるが、複数の会場を「回遊」する形式とするほか、無料で見られるエリアを設けるなど「オープンさ」をアピール材料にする。

 かつて100万人超えが当たり前だった東京モーターショーの来場者は減少が続き、前回(17年)は約77万人だった。自動車ショーとしての魅力不足は海外勢の出展見送りにもつながっている。独フォルクスワーゲンやアウディ、BMWなども今回の出展を見送った。

 「全体的にだいぶ変えていきたい」。開催概要を発表する会見で自工会のモーターショー特別委員会の長田准委員長(トヨタ自動車国内販売事業本部副本部長)はこう述べた。東京五輪・パラリンピックの国際放送センター(IBC)として使うため、東京ビッグサイトで最大の面積を誇る東展示棟、東新展示棟が今回のモーターショーでは使えない。

 そこで自工会は会場をビッグサイトがある有明エリアだけでなく、1.5キロメートルほど西側の青海エリアにも広げた。ビッグサイトの青海展示棟に加え、トヨタの体験型テーマパーク「MEGA WEB(メガウェブ)」も会場として利用する。両エリアを結ぶ1.5キロメートルの道は自由に行き来できる「オープンロード」として電動キックスケーターやトヨタや日産自動車の超小型電気自動車などに試乗(試乗にはチケットが必要)でき、人と様々なモビリティーが自由に行き交う近未来の都市交通を具現化。また、道沿いにはスーパーカーやカスタムカーのショー「東京オートサロン」に出展した車を展示するなど、「乗るだけでなく目で見ても楽しい」(長田氏)エリアとする。

 さらに無料展示のエリアを拡充する。無料で入場できるメガウェブでの展示ではNTTやNEC、富士通、パナソニックといった企業とも連携して未来の日本を体験できるようにするほか、自動車レースのゲームの腕前を競う「eスポーツ」やドローンレースの大会も開催し、高校生など若年層にも関心を持ってもらう狙いだ。

 メーカーが描く未来のクルマ像や最新のクルマを展示するばかりの従来型のモーターショーの魅力が落ちているのは来場者の減少が示す通り。自動車産業が直面する「CASE(つながる、自動運転、シェアリング、電動化)」の将来像を見せる場は、むしろ北米の家電見本市「CES」などに移りつつある。新たなクルマのファンづくりという目的を考えるなら、会場の制約を受けた「苦肉の策」ともいえる回遊型で様々な移動体を体感できる今回のモーターショーは悪くないのかもしれない。

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