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アサヒ飲料は、カルピスの乳酸菌研究の成果を生かした機能性表示食品を5ブランドで展開する。都内で岸上克彦社長(右)と粟屋知信・健康戦略部長が会見に臨んだ

 アサヒ飲料は7月25日の新商品説明会で、健康分野を強化する方針を打ち出した。今年9月から、「カルピス」や「ワンダ」など5ブランドで、頭の働きをサポートする機能性表示食品を展開する。ブランド横断で、消費者の健康意識の高まりに対応していく。

 新たに展開するのは「はたらくアタマに」シリーズ。乳酸菌研究の中で発見した成分「ラクトノナデカペプチド」を配合した。ラクトノナデカペプチドは、中高年を対象とした試験で、「注意力の維持」と「計算作業の効率維持」に役立つことが確認されている。

 アサヒ飲料は近年、健康分野に注力している。健康関連飲料の2018年の販売数量は15年比で8割増となった。健康分野の成長は、消費者ニーズへの対応という側面もあるが、12年にアサヒグループ入りしたカルピスの貢献も大きい。カルピスは16年にはアサヒグループの清涼飲料メーカーであるアサヒ飲料と経営統合した。

 アサヒ飲料は経営統合した16年、「三ツ矢」「カルピス」「ワンダ」「十六茶」「おいしい水」「ウィルキンソン」を重点6ブランドに定め、経営資源を集中投下する方針を明確にした。ブランドを絞ることで経営効率を高めることが目的だ。この6ブランドで、付加価値の高い商品の開発を急ぐ。

 18年に発売した、内臓脂肪を減らすのを助ける機能がある成分を含んだ「からだ十六茶」などは高付加価値化の一環だ。今回の「はたらくアタマに」シリーズでは、カルピスの乳酸菌研究から生まれた「ラクトノナデカペプチド」を、カルピスブランドだけでなく、他ブランドの飲料にも配合。アサヒ飲料の岸上克彦社長は、「横展開していくことによって、一つひとつのブランドの価値をさらに高めていく」と話す。

 「はたらくアタマに」シリーズが参入する機能性表示食品の市場には、各社が相次いで参入し、競争が激化している。先行者の明治ホールディングスは免疫力の強化が期待できるヨーグルト「R-1」を発売し拡大したものの、18年度は失速。決算説明会で川村和夫社長は「機能性表示食品の市場が広がり、競合が増えた」ことが失速の原因と認めた。乳酸菌飲料大手のヤクルトも今秋、ストレスを和らげ睡眠の質を上げる機能性表示食品をヤクルトシリーズで発売するなど、競合の参入はまだ続きそうだ。健康分野を強化するアサヒ飲料の前には、競合各社がひしめくレッドオーシャンが待ち受けている。