2020年の東京五輪の開催まで、今日でちょうど1年を切った。東京都内は交通混雑が予想され、多くの企業が時差通勤やテレワークの導入を検討している。

 そんな中、朝の通勤の足として船を活用する実験が、7月24日から始まった。その名も「真夏のらくらく舟旅通勤」。東京五輪期間中の混雑対策として都が考案したもので、乗客からアンケートを集めてビジネスとして実用化できるかを検証する。期間中は予約すれば無料で乗船できる。

 ルートは中央区の勝どきから日本橋までと、その逆方向の2つ。同区間が通勤ラッシュに湧いている午前7時30分から9時までの間に、15分間隔で運航する。

 その乗り心地はどのようなものか知り、ビジネスとして成立しそうか探るべく、記者が実際に7時45分の勝どき発の便に乗ってみた。

運営業者によって船の形が異なる。右奥にピンクの船も見えるが、今回は手前の白い船に搭乗した
運営業者によって船の形が異なる。右奥にピンクの船も見えるが、今回は手前の白い船に搭乗した

 7時30分、勝どきにたどり着くと、2隻の船が朝潮運河から伸びる桟橋に停泊していた。屋根があるピンク色の船と、屋根のない白い船で、どちらも定員約40名の中型の船だった。

 「船通勤」の運営は都が複数の民間企業に委託していて、業者によって船の形が異なる。どのタイプの船に乗れるかは運次第だ。

 乗船を予約していたので、桟橋の入り口にいる運営スタッフに自分の名前を伝えるだけで受付は完了した。自分の乗る便の、屋根のない白い船に乗り込んだ。

 座れる席は2種類。船の縁をぐるりと囲む外側席と、その中央に個別に置かれた内側席がある。外側席のほうが景色を楽しみやすいとも思ったが、船の進行方向を向いて座れる内側席を選んだ。

 メディアの注目度は高かったようで、テレビ局のビデオカメラも船に乗り、レポーターが乗客に声をかけて回っていた。「満員電車から開放されたい一心でこの船に乗りました」と答えている人もいて、心の中で同意した。