価格が1万円以上が高価格帯といわれるドライヤー市場。英家電大手ダイソンが開拓してきた「高級ドライヤー」にパナソニックが真っ向勝負を挑む。パナは国内ドライヤー市場でトップシェアの意地を見せられるか。

パナソニックが9月に発売する高級ドライヤー
パナソニックが9月に発売する高級ドライヤー

 パナソニックが7月23日に発表したのは、これまでの最上位機種となる市場想定価格3万円(税抜き)の高級ドライヤーだ。9月に発売するのを前に開いた発表会で、担当者ははっきりとライバルの存在を口にした。「ダイソンさんの高級ドライヤーは市場に変化をもたらした。速乾機能を打ち出すダイソンさんに対して、私たちは潤いによって髪質改善できるのが特長だ」

 英家電大手のダイソンは2016年、4万5000円(同)の高級ドライヤーを世界に先駆けて日本で発売。平均価格が2000~3000円、1万円以上が高価格帯といわれる市場の中で、存在感を放った。パナの調査によると、18年のドライヤー市場に占める1万円以上の商品の比率は台数ベースで20%、金額ベースでは56%。14年にそれぞれ14%、38%だったから、ダイソン効果は大きかった。値が張る商品であっても、髪の悩みの多い女性を中心に支持を集めている。

 ダイソンのドライヤーは本体に穴の開いた斬新なデザインも特徴的だ。機能面では、熱を抑えて強い風量で乾かすことで髪を傷めない点をうたっている。一方で、パナソニックはしっとり感が生まれることやまとまりやすさといった髪質改善ができる点を強調。今回発売するドライヤーでは、同社の独自開発による微粒子「ナノイー」の水分発生量を従来の18倍にしたデバイスを開発し、搭載した。

 同社のドライヤーでは、これまで2万円(同)の機種が最高価格だったが、今回はそれより1万円高くなる。それでもダイソンよりは低価格だが、さらに高価格のドライヤーの発売について担当者は「今回の商品が受け入れられるかを見たうえで考えたい」と述べた。

 高級価格帯では、シャープも昨年、2万円(税込み)のドライヤーを発売、各社が高価格帯商品を相次いで投入している。国内シェア(台数ベース)で約5割を誇るパナソニックは最後発となったが、高級価格帯でも市場を勝ち取ることができるか。圧倒的なシェアで余裕さえ感じられるパナソニック。トップメーカーのプライドを見せてくれるのか、今後の市場の動向を注視したい。

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