イラン核合意に心血注いだIAEA天野事務局長が死去

 イラン情勢の混迷が深まるなか、 1人の日本人の訃報が世界中を駆け巡った。国際原子力機関(IAEA)は22日、天野之弥事務局長が死去したと発表した。健康上の理由から21年までの任期途中での辞任が報じられていたが、突然の訃報となった。

 天野氏は09年から事務局長を務め、イランや北朝鮮などの核問題に取り組んできたため、世界的に知名度が高い。国連のグテレス事務総長はツイッターで、「彼を知る全ての人は、原子力技術の平和利用への著しい貢献と多国間主義への献身を忘れないだろう」と述べるなど、功績をたたえる声が世界中から寄せられている。

国際原子力機関は22日、天野之弥事務局長が死去したと発表と発表した(写真:ロイター/アフロ)
国際原子力機関は22日、天野之弥事務局長が死去したと発表と発表した(写真:ロイター/アフロ)

 天野氏は実際にイランに査察に訪れるなど核合意の維持に心血を注いでおり、イラン側の信頼も厚かったと言われ、イランの核合意の維持にも影響が出そうだ。また、日本にとってエネルギー安全保障や地政学の観点から極めて重要な案件に深く関わってきた天野氏を失うことは大きな損失になる。

 主要国の足並みの乱れに、英国との対立激化、IAEAトップの死去など、イラン情勢が風雲急を告げている。英国では23日午前(日本時間23日夜)に新首相が決まる予定だ。新英首相はいきなり緊迫するイラン情勢に直面し、難しい判断を迫られることになる。

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