セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートのコンビニエンスストア大手3社は8月1日から7日まで共同配送の実証実験をする。東京都江東区の湾岸エリアにある3社の店舗40店(セブン13店、ローソン14店、ファミマ13店)を対象に、飲料や菓子、日用雑貨などの常温配送商品を同じトラックで配送する。経済産業省が主導している実験だが、コロナ禍で3社の経営環境は厳しく、効果を見極めたいようだ。

コロナ下の3社は協力関係を深めるのだろうか
コロナ下の3社は協力関係を深めるのだろうか

 実験は内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマート物流サービス」の事業の一環として実施する。今年1月にSGホールディングスが新設した江東区の大型物流施設内に共同物流センターを設置。トラックの店着時刻は同一エリア内で最も効率の良い順番にするなど、競合関係を越えて実験に取り組む。経産省は共同在庫の可能性も併せて検討するとしている。

 コンビニは24時間、売れ筋の品をそろえるための多頻度輸送に取り組み、多店舗展開を支えてきた。物流は競争力に直結しており、自社で物流センターを備えて個別最適化を図ってきた。

 だが、1社での取り組みでは非効率も生じていると経産省はみている。例えば、対象店舗の積載率は現在、平均で50%程度と見られるが、事前のシミュレーションでは60%程度まで改善すると見込む。実験エリアで3社が運行するトラックは13台から9台と3割減、1日の運行時間も3社計で6割以上の削減が期待される。

5800億円規模の生産性向上も

 傘下に5万6000の店舗を抱える3社が、輸送容器の規格化やパレット化を進め、指定時間の柔軟化など商慣行の改革に取り組んだ場合、生産性を引き上げる効果は5800億円に上ると経産省は試算している。コンビニは店舗間競争が激しく、店舗数は飽和に近づいている。各社は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う客数の減少にも直面しており、物流効率化によるコスト削減が欠かせなくなると経産省はみている。

 22日の記者会見で、参加するコンビニ各社の担当者は「コンビニエンスストアに限らず、配送ドライバー不足や高齢化が起きており、協調するところはして、課題解決に取り組みたい」(セブン-イレブンの執行役員QC・物流管理本部長の青山誠一氏)、「物流コストは耐えきれないところまで来ている。コストを抑制することで事業が継続できればいいと考える」(ローソン上級執行役員商品本部長の藤井均氏)と物流への危機感を語った。

 共同配送の実現に向けて、データ基盤の整備をはじめ、各社が乗り越えなければならない壁も多い。関係者は「トラックの商品の積み方ひとつをとっても、セブンは手積み方式、ファミマ、ローソンはカゴ車方式で、今回はカゴ車方式に決まった」と話す。こうした各社の商慣行の違いを克服し、効率化が進むかどうかを3社は見極めようとしている。

 実験にはコンビニ3社に加え、コカ・コーラボトラーズジャパンなどのメーカーや、卸売の国分、さらに富士通など情報システム開発を担う企業も参加する。物流業界からはSGホールディングスのほか、日本通運も参加。業界や企業の枠を超え、共同配送に向けた課題を検証する。

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