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 モスバーガーを展開するモスフードサービスは17日、横浜市中区桜木町で19日にオープンする、2つの業態を複合させたフードホール型店舗を報道陣に公開した。高価格帯のハンバーガーなどを販売する「MOS PREMIUM(モスプレミアム)」とカフェ業態「マザーリーフティースタイル」を併設した「桜木町クロスゲート店」は桜木町駅前の商業施設の1階という好立地。座席数は94、店舗面積は79.7坪で、同社によると通常のモスバーガーの店舗に比べて2倍以上広いという。

 モスプレミアムの目玉商品「モスプレミアムバーガー」は1300円(税込み)、カフェ店舗もサラダとパスタのセットメニューが1180円(同)と、同社が全国展開するモスバーガーに比べれば価格帯はかなり高い。バーガー類以外にアルコール類も提供する。

 厨房と座席は共有、午後5時からはタブレット端末を使った注文でフルサービスとするなど店のつくりは既存の店舗と大きく異なる。「ランチとディナーに来客が集中するモスプレミアムと、朝とティータイムに繁忙期を迎えるカフェ業態を複合させることで、空席の目立つ時間をなくすとともに、人員の効率化も図りたい」と、内田優子・開発本部長はその狙いを語る。

 同社は売り上げの低迷が続いている。2018年2月から19年2月までの13カ月にわたり、既存店売上高は前年比を下回り続けた上、18年8月には食中毒も発生、19年3月期は9億円の最終赤字に転落した。既存店売上高は6月こそ前年比100%に持ち直したものの、全店売上高は4月以降も100%を下回り続けるなど、厳しい状況だ。今期は客が自らメニューを選び精算を済ませる「セルフレジ」の導入を決め、増税後のテークアウト客の増加を見込んでバンズのリニューアルを打ち出すなど、新施策を次々と投入している。

 モスバーガーはこれまで原材料の生産地を明らかにするといった「安心・安全と質の高さ」を前面に押し出し、成長を続けてきた。ところが近年はシェイクシャックなど高価格帯の「プレミアムバーガー」が人気を集める中、その存在は埋没気味だった。「『おいしければお客様は来てくれる』。そんな意識を長く持っていて、空間やサービスの質を向上させることに注力できていなかった」。内田氏はこう語る。

 ライバルのマクドナルドは、100円を追加すればバーガーのパティ(具材)が倍になる「夜マック」が好評だ。一方、モスバーガーは高価格帯ハンバーガーとビールを合わせて2000円という価格で夜のちょい飲み需要も狙うようだ。内田氏も「ハンバーガーで1300円と考えれば高いと思うかもしれないが、居酒屋でバーガーとビールあわせて2000円との見方をすれば決して高額ではない」と強調する。

 今回オープンする複合型店舗は好評であれば都心を中心に拡大する方針という。「厳しいときだからこそ、新規事業で盛り上げたい」(内田氏)。新店は起死回生の一手となるか。

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