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1分解説
  • ・ついにテーマパーク「東京タピオカランド」ができるまでに。タピオカ旋風が止まらない。
  • ・しかし発祥の地・台湾で、タピオカドリンクの存続を左右しかねない事態が。プラスチック製ストロー禁止法令の施行だ。
  • ・タピオカの元祖「春水堂」の台湾店舗ではすでに紙ストローに。飲み心地は変わらないという。

 台湾発祥のスイーツ、タピオカの人気が止まらない。独特の見た目、もちもちした食感が人気を博している。もともとは冷たいミルクティーにタピオカを入れ、それを太いストローで飲む「タピオカミルクティー(珍珠奶茶)」から始まったが、最近では抹茶やコーヒー、ジュースなどにも入れられるようになった。街中には、至るところにタピオカドリンクを販売する「ドリンクスタンド」と呼ばれる小規模の店舗が乱立している。ドリンクスタンドでは、ベースとなる飲み物を選び、タピオカの量、シロップやクリーム、岩塩などのトッピングの有無といったカスタマイズを通じて、自分好みのドリンクを作ることができる。

タピオカドリンクの故郷、台湾ではプラスチック製ストローの使用制限が始まった

 店舗が急増する背景には、人気のみならず出店コストの低さも関係しているといわれている。キャッサバというイモから取ったでんぷんを加工し、粒状にして乾かしたものが「タピオカの素」だが、ドリンクスタンドではこれをゆでて戻す。飲み物と氷に戻したタピオカを入れればタピオカドリンクは完成する。タピオカをゆでる設備と冷蔵庫があれば狭い場所でも出店できる。原価率の低さも出店のハードルを下げている。タピオカドリンクは1杯当たり500~600円程度だが、その原価率は約1割といわれている。

 この夏には若者の街、原宿に期間限定(8月13日~9月16日)で「東京タピオカランド」と呼ばれるタピオカ専門のテーマパークができる。タピオカの有名店が複数出店、ドリンクからフードまでさまざまなタピオカが楽しめるという。黒くて丸っこい粒がストローを吸うたびにくるくる動くタピオカドリンクは、写真映えするため画像共有アプリ、Instagram(インスタグラム)を頻繁に利用する若者の受けが良い。供給過剰状態でも人気が続いているのは「インスタ映え」のおかげともいわれている。

 しかし、このタピオカドリンクのアイデンティティーの根幹を揺るがす事態がタピオカドリンクの「故郷」台湾で進んでいる。台湾の行政院(内閣)環境保護署はレジ袋や使い捨て食器、持ち帰り用容器などを2030年までに全面的に禁止する方針を打ち出した。その一環でこの7月から、行政機関、学校、百貨店、ショッピングセンター、ファストフード店を対象にプラスチック製ストローの提供制限が始まっている。規則に違反した場合は、1度目は警告、2度目は1200台湾元以上6000台湾元以下(4230円以上2万1150円以下)の罰金が課せられる。

 この方針が打ち出されたのは2018年の話だが、「プラ製ストローが使えなくなったら、どうやってタピオカミルクティーを飲めばいいのか」という議論が盛り上がった。「スプーンですくえばいい」と、環境保護署の担当者が反論したところ、世論は猛反発。蔡英文総統が「そんな言い方は社会に受け入れられない」とたしなめる発言もあった。