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新型「スカイライン」を発表した日産自動車の中畔副社長(右)と星野副社長(中央)。左は同社のアンバサダー、元フェンシング選手の太田雄貴氏

 日産自動車は16日、新型自動車「スカイライン」を9月から全国で一斉に発売すると発表した。横浜市内で開いた発表会で星野朝子副社長は「スカイラインにはものづくりのプライドが込められている」とし、「事故のない世界を目指していきたい」と述べた。

 今回、世界初と日産がうたうのが運転支援技術「プロパイロット2.0」だ。高速道路を走行する際に運転を手助けするもので、機能は大きく分けて2つある。

 1つ目が走行中や追い越し時の車線変更の支援。どこに車がいるのか把握し、速度を制御し走行する。車線変更については車側から運転手に対し提示するが、あくまでも運転手が車線変更するかどうかを選択する。2つ目が同じ車線内であればハンドルから手を放しても自動で操舵や加減速をしてくれる機能だ。地図情報から自分の車がどこにいるのかを把握できるようにするほか、カメラや車の横についたミリ波レーダーにより周辺情報を検知する。この2つの機能を備えた車は世界で初めてという。

 今回のスカイラインに搭載した「レベル2」の運転支援機能は米テスラが米国で導入済みのほか、独BMWや米ゼネラル・モーターズも実用化している。米国では既にアルファベット傘下のウェイモが一部地域で自律走行タクシーの商用化を始めているほか、中国では百度などIT大手も参加し人が運転に関与しない「レベル4」の自動運転の実験を進めている。

 そのため自動運転のルール作りや開発環境で日本は出遅れているとの見方が一般的だった。ただ日産のあるエンジニアは「日本が特別に出遅れているとは思わない」と言う。日本では国土交通省からの認可を取得できれば高速道路でも開発車を走らせることができるほか、20年に向け公道上でも一定の条件下でシステムが運転を担う「レベル3」の自動運転を可能にする方向だ。一方、中国では「開発者の走行試験の認可が取りにくい」(日産のエンジニア)という。

 プロパイロットはゼンリンが整備した高精細の3次元地図と連携することで「世界初」を可能としたなど、運転支援技術を支える関連企業の層も厚い。規制との兼ね合いが残るとはいえ、日本だけが開発しにくい環境にあるわけではないようだ。

 スカイラインといえば1957年に発売以降、走行性能や運転の楽しさが支持された日産の看板車種だ。今回、一部モデルで運転支援機能を導入したことには異論やある種の寂しさがあるのは確かだろう。「走りを重視する人は新型のターボエンジン、先進技術に魅力を感じる人はプロパイロットを試してほしい」(日産)としている。

 米ウーバー・テクノロジーズなどのライドシェア勢やIT企業も自動運転技術の開発に注力しており、競争が激しくなっている。自動運転機能でクルマを比較する時代の流れに、消費者も逆らえないのかもしれない。

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