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 再び日本中が歓喜に沸いた「はやぶさ2」による小惑星「リュウグウ」への2回目のタッチダウン成功。世界で初めて採取されたとみられる地下物質には、宇宙の神秘が詰まっているはずだ。今後、この物質が日本に着くまでどのような経過をたどるのだろうか。

はやぶさ2は7月11日、「はやぶさ2」小惑星リュウグウに着陸し、地下物質を採取した(写真:共同通信)

 7月11日にリュウグウにタッチダウンし、地下から物質を採取したとみられるはやぶさ2は、既にリュウグウの上空20kmのホームポジションに戻った。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は現在、タッチダウン後の機体への影響や、観測機器の状態など、探査機の“健康状態”を確認している。もともとリュウグウを探査するミッションは11月まで。そのミッションを終了した11~12月に、はやぶさ2はリュウグウを離れ、地球に帰還するための航行を始める予定だ。

 「この時期を逃すと、地球へ戻ってくる時期が遅れたり、遅れた時間を取り戻すためにはやぶさ2のイオンエンジンを運転する時間が長くなったりしてしまうことが想定されるほか、そもそも地球に戻れなくなる可能性もある」(JAXA 宇宙科学研究所)という。

 物質は直径30~40㎝のカプセルに入れるもようだ。はやぶさ2がこのカプセルを地球に戻す際、選択肢は2つある。1つはカプセルにパラシュートを付けて大気圏にカプセルだけを落とし、探査機はほかの小惑星か天体に向かい、活動を続けること。もしそれが難しそうなら、もう1つは2010年の初代「はやぶさ」と同様、探査機ごと大気圏に突入し、カプセルだけが地球に落ちる選択肢を取ることになる。

 はやぶさ2は、リュウグウを離れた後、カプセルを切り離すポイントをめがけて地球から精密に誘導されながら航行する予定だ。

 無事、カプセルにパラシュートを付けて大気圏で落下した場合、地球に落ちてくるのは2020年の終わりごろ。落下地点は南半球のどこかになる。「ある程度の空き地と周辺住民の理解が必要」(宇宙科学研究所)なため、現在水面下でカプセルを落とす場所の国家間交渉をしているという。

 2010年に、小惑星「イトカワ」の物質を採取したカプセルを載せた初代「はやぶさ」は、機体ごと大気圏に突入した。はやぶさ自体は燃えて消滅してしまったが、カプセルは回収できた。つまり、既にカプセルを地球で回収することに成功した実績はある。だが宇宙科学研究所は「実証と実績の積み上げで技術が成熟するのであれば、初代はやぶさの時と同様、気は抜けないことに変わりはない」と気を引き締めている。

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