全1142文字

 資生堂は2019年7月1日、サブスクリプション(定額制料金)型のスキンケアサービス「Optune(オプチューン)」を本格的に開始した。月額1万円(税別)で、専用の機器から一人ひとりの肌に合った保湿液を出して使うサービスを受けられる。

 オプチューンは資生堂としては初めてのサブスクリプションサービスとなる。ベータ版は18年3月に先行販売された。反響とニーズの大きさから早期の本格展開に踏み切った。iPhoneの専用アプリを使って、利用者の肌と睡眠の状態のほか気温、湿度、花粉の量やPM2.5の数値といった環境要因まで計測し、化粧水や乳液などを組み合わせて保湿液が抽出される。保湿液のパターンは8万通り以上にものぼる。30~40代の女性がメインターゲット。カメラを使った肌の測定から、保湿液の抽出までにかかる時間は5分以下だという。

オプチューンは専用の機器から一人ひとりの肌に合った保湿液を出して使うサービスだ。

 1日に都内で開かれた発表会で、資生堂ジャパンの川崎道文ブランドマネージャーは「(オプチューンは)次の時代の新しい潮流を生み出すサービスを目指す。ファンデーションやほかのカテゴリーへの拡大もありうる」と語った。

 化粧品業界では、これまでの大量生産で不特定多数の顧客に商品を売り込む「マスマーケティング」から、個々人の嗜好に合わせた商品を開発する「パーソナライズ化」や「スモールマス化」の流れが巻き起こっている。ポーラも今月から、パーソナライズドスキンケアブランドのアペックスをリニューアルし、AI(人工知能)を使った肌解析技術により数百万通りの組み合わせから顧客に合わせた化粧水や乳液などを提供するサービスを開始した。

 消費者の嗜好の多様化やSNS(交流サイト)の普及も、大量生産型のビジネスモデルの変革を後押ししている。ある化粧品業界関係者はオプチューンについて、「価格は安くないが、肌が敏感な女性や花粉などの環境要因によって肌の状態が変わりやすいといった悩みを持っている人には便利だろうし、一定のニーズはあると思う」と語る。

 サブスクリプション型のビジネスモデルは様々な領域に広がっているものの、商品やサービスによってはうまくいかない場合もある。ただ、一般的に化粧水や乳液といったスキンケア商品は、一度使い始めたものを継続購入することが多く、定額制のビジネスモデルとも合致しそうだ。資生堂がサービスを本格的に始めたことで、今後サブスクリプションとパーソナライズ化を組み合わせたビジネスモデルが化粧品業界を席巻するかもしれない。

タグ「1分解説」をフォローしませんか

旬の話題やニュースを分かりやすく手短に解説。フォロー機能を設定すると、「1分解説」タグが付いた記事が配信されると画面上で通知されます。「#1分解説」でフォロー機能を設定できます。