大阪市で開催された20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)が6月29日に閉幕したが、各国首脳が大阪市内のどのホテルに宿泊したのかも気になるところだ。トランプ米大統領は5月に令和初の国賓として来日した際に、安全性の面から通常なら敬遠される地下鉄直結の「パレスホテル東京」に宿泊したが、今回はどうだったのか。

 結論から言えば、トランプ氏は今回、「帝国ホテル大阪」に宿泊した。その理由について、ホテル業界の関係者はこう分析する。「最寄り駅との直結通路がないホテル。帝国ブランドで格式もある」

トランプ大統領は「帝国ホテル大阪」に泊まったという(写真:アフロ)

 20カ国の首脳が世界から訪れたG20大阪サミットでは、大阪市内の各高級ホテルをどの国に割り当てるか政府が中心となって早くから準備してきたという。中でも警備のしやすさが重視されたのが、「米国、中国、ロシア、韓国の4国」(関係者)だ。

 そう考えると、トランプ氏が帝国ホテル大阪に泊まったのもうなずける。同ホテルは最寄りのJR桜ノ宮駅から徒歩で数分かかる距離にあり、「北新地」や「ミナミ」といった繁華街からもやや外れている。駅との地下直結通路もない。5月に東京を訪れた際には、天皇・皇后両陛下と会見するために、皇居に近いパレスホテルが選ばれたともいわれる。今回はそうした「特殊事情」もないため、安全性を優先したのかもしれない。

 ちなみに、中国の習近平国家主席は、英紙タイムズで「世界を代表するトップ20の建物」に取り上げられたことのある「梅田スカイビル」に隣接する「ウェスティンホテル大阪」に宿泊した。習氏が食べたかどうかは不明だが、同ホテル内には中華レストランの名店「故宮」がある。しかも同店は今年4月にリニューアルされたばかりだ。

 ロシアのプーチン大統領は6月にメインロビーの大じゅうたんを張り替えた「リーガロイヤルホテル大阪」に宿泊したようだ。

プーチン大統領はリーガロイヤルホテル大阪に宿泊したもよう

 各国首脳を迎えるホテル側には外務省から、G20サミットの3、4カ月ほど前にどの国の首脳が宿泊するかの正式な連絡があったようで、ホテル側はVIPへのおもてなしに力を入れてきた。2国の首脳が会談する、いわゆる「バイ会談」の場としても利用されたホテルも多く、早くから語学やサービスの研修をしてきたホテルもあった。あるホテル運営会社の首脳は「貴重な機会で、大阪のホテルを世界にPRするきっかけになった」と話す。

 もっとも、最上のおもてなしをしようと意気込むホテルに対し、国によっては警備上の問題から、サービスを最小限にとどめるよう求めるところもあったとされる。

 いずれにしても、今回の「おもてなし」の経験を今後につなげられるかは、各ホテル次第だろう。

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