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■1分解説
  • ・LINE Pay、PayPay、メルペイの3社は7月11日から21日までの11日間、「最大20%戻ってくる!キャンペーン」を3社合同で展開する。
  • ・キャッシュレス市場拡大に向けてライバルが手を組んだようにも見えるが、「セブン‐イレブン・ジャパン側の要請」が実態だという。
  • ・むしろスマホ決済業界では、ソフトバンクグループのPayPayと「それ以外」の対立構図が鮮明になりつつある。

 LINE Pay、PayPay、メルペイの3社は2019年7月11日から21日までの11日間、「最大20%戻ってくる!キャンペーン」を3社合同で展開する。対象となるのは全国のセブンイレブン2万965店。セブンイレブンでは7月1日から自社のスマホ決済サービス「7pay」ほか、LINE Pay、PayPay、メルペイの国内3社、アリペイとWeChat Payの海外2社のスマホ決済が解禁になる。同キャンペーンはこれに合わせて展開されるものだ。

 20%還元をうたってはいるものの、各社の還元上限額は1000円分まで。1社につき5000円分までの利用が還元対象となり、3社のスマホ決済をそれぞれ利用すれば合計で1万5000円までの利用が対象で還元額の総額は3000円分が上限となる。

 キャッシュレス市場でつばぜり合いを繰り広げているLINE Pay、PayPay、メルペイの3社が合同でキャンペーンを展開するのは「史上初」(各社の発表資料)。キャッシュレス市場拡大に向けて手を組んだようにも見える。

 IT業界ではよく「Frenemy(フレネミー)」という言葉が使われる。「friend(友)」と「enemy(敵)」を組み合わせた造語だ。ライバルでありながら、同時に友である関係を指す。いまのキャッシュレス業界はまさにフレネミーの構図を帯びつつあるようにも見える。

 だが、実態は「セブン‐イレブン・ジャパン側の要請」(スマホ決済事業者)。コンビニの中でもスマホ決済に唯一出遅れていたセブンイレブンが合同キャンペーンの展開を大々的に打ち出すことで、認知度を高めたかったというのが実情だ。

 むしろスマホ決済業界では、ソフトバンクグループのPayPayと「それ以外」の対立構図が鮮明になりつつある。

「PayPay包囲網」鮮明化か

 LINE Payは2019年6月27日、舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市)で開催した「LINE CONFERENCE 2019(LC2019)」でメルペイと共同で立ち上げた加盟店アライアンス「Mobile Payment Alliance(MoPA)」にNTTドコモが参画すると発表した。MoPAの加盟企業は共同でスマホ決済サービスの普及を促進する。

 業界内では「MoPAにKDDIが参画する可能性もある」(スマホ決済事業者)との見方もある。「au PAY」を提供するKDDIとメルペイはスマホ決済サービス拡大に向けた基本合意書を既に結んでいるためだ。仮に実現すれば、「PayPay包囲網」はより鮮明になってくる。

 LC2019の翌日、ヤフーは今秋をめどにフリマアプリ「PayPayフリマ」を開始すると発表した。フリマアプリ市場はメルカリや楽天グループの「ラクマ」がシェアを押さえており、PayPayフリマは最後発の参入となる。だが、市場シェアそのもの以上にヤフーが狙っているのはフリマアプリの売上金がPayPayでの利用に流れること。まさにメルカリがフリマアプリから決済サービスへと進出した逆の動きを虎視眈々と狙っている。

 圧倒的な資金を投じ、グループ内のアセットを最大限活用しながら覇権を押さえにかかるPayPay。記憶にも新しい100億円還元キャンペーンなど、繰り出す手のインパクトが大きい分、脅威に感じている事業者は多い。対立軸がまとまりつつあるのも、その存在感があるからこそといえる。

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