(写真:Fast&Slow / PIXTA)
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 米国のタレント、キム・カーダシアンさんが自身の矯正下着のブランド名に「KIMONO」(キモノ)という名称を使用していることが物議を醸している。

 同氏は6月19日に米国機関にロゴの商標登録の出願。25日に自身のツイッターやホームページで商品を発表した。この投稿が拡散され、ツイッターでは、「文化の盗用だ」「日本の文化の名称を下着ブランドの名前として認識されるのは困る」など波紋を呼んだ。日本でも抗議や戸惑いが聞かれ始めている。

 そもそも「きもの」という言葉を使ったロゴの商標登録は認められるのか。また、仮に商標が登録された場合、「きもの」という言葉を海外で使えなくなるのか。

 米国の商標に詳しい浅村特許事務所の山口康明弁理士に尋ねると、「登録される可能性が100%ないわけではない」と指摘する。

 まず、特定のものを指すのでなく一般的な名称を示すときに使う「普通名詞」を商標登録することはできない。和装を指す「着物」という言葉はひらがなやローマ字など表記方法を問わず一般名称に当たるため、着物そのものに「着物」という名称の商標登録することはできない。

 ただ今回のケースでは、着物そのものでなく、「補正下着」という分野を掲げての商標登録を目指している。その場合、和装の「着物」と誤認される可能性はないかという観点から登録を認めるかどうか審査される。下着と着物は別物ではあるが、「被服」というカテゴリーに入り、全く異なるジャンルの商品でないためだ。仮に自動車など、着物と全く関係ないジャンルであれば商標登録が認められるという。

 山口弁理士は「日本であれば誤認の可能性があるとして認められないだろう」と語る一方、「米国では登録の可能性はある」と語る。

 もし登録されたとしても、下着を指すのに「きもの」という言葉は使えなく可能性があるが、和装を表す普通名詞としての「きもの」が使えなくなるという心配はなさそうだ。

 業界関係者からは戸惑いの声が上がっている。着付け教室で構成する全国和装学院連絡会の中崎良文事務局長は「和服である着物の反対の言葉が洋服。下着の名称にすることにあぜんとしてびっくりした」と衝撃を話す。「なぜKIMONOとつけたのか背景が分からないので」としつつも、「着物は平安時代からの1200年に及ぶ歴史を持つ日本人1億2000万人の共有財産。個人として独占しようとする考えではいけないと思う」と戸惑いを話す。

 着物を着る無料体験会などを開き着物に親しんでもらう機会を作っている一般社団法人現代着物協会(大阪市)の小野宏積代表理事も「下着の言葉として着物を使うのは好ましくないと感じる」と指摘。そのうえで、海外からの客と会話する時に「日本の伝統的な衣服」と説明するより、「着物」「浴衣」と直接の単語を使ったほうが理解を得られやすいという。「着物という言葉はすでに世界に広がっているので、今回の件で誤解を招くようなことはないかもしれない」と自信も見せた。

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