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 スズキは6月27日、浜松市内のホテルで定時株主総会を開いた。同社は2016年に燃費の不正測定の問題が発覚したのに続き、今年4月には新車を販売する前の完成検査でデータが書き換えられるなどの不正事案が行われていたことを公表した。

 約200万台がリコールの対象となり、19年3月期に約800億円の特別損失を計上した。総会の議長を務めた鈴木俊宏社長は一連の不正問題について「心よりおわび申し上げる。永続的に再発防止を実施していく」と改めて株主に陳謝した。

 鈴木修会長は自身の申し出により1年間無報酬、俊宏社長は6カ月間報酬を50%カットするなど同社の経営幹部の処分をすでに発表した。設備の更新に加え、品質や検査工程の強化に向けた対策も公表している。

 今回、注目されていたのが修会長の今後だ。

 5月の決算会見では、検査不正について「社会的に常識はずれなことをして、法律的に違反してまでやるのは国賊であり泥棒だ」と修会長は述べていた。自身がCEO(最高経営責任者)を務めていた時代から横たわっていた不正問題について、進退でもって明らかにするといった責任の取り方もあったからだ。

 ただ、総会では修会長の責任を求める声は出てこなかった。

 スズキOBの男性(72)は「修会長がいるなら絶対大丈夫。あの人なら何とかやってくれる」と話す。総会中の質疑応答でも「スズキへの危機意識は修会長が一番持っている」と述べた株主もいたなど「修ファン」の発言が目立った。

 その一方で、「問題や課題が発生するのが会社。社内でそれを修会長に指摘できなくなっているのではないか」(株主の男性)とスズキの行く末を危惧する声もあった。

 全国軽自動車販売連合会によると、スズキの5月の国内新車販売台数(軽四輪車)は前年同月比1.5%増の4万4454台。「検査不正が起きる前の受注が残っている」(販売店)こともあり、不正による販売への影響は今のところ目立った形で表れていない。

 今年1月で89歳を迎えた修会長は総会で「健康に加えて、気力も充実している」と強調した。これまでの経営体制のまま、企業体質を変えられるかどうかが問われる。

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