我々は自身を守る必要に迫られている。国の統一と主権、国境を守るために必要な手段は取る。そのための十分な軍事力も保有している。

 だからといって、われわれは緊張が高まるのを望んでいるわけではない。最高指導者もロウハニ大統領もザリフ外相もそう明言している。緊張を緩和する解決策を探ることができる可能性がないわけでもない。よって、安倍首相が背負うミッションは難しいものではあるが、不可能なことではない。

イランは国際社会において3つ大きな貢献をしている

 イランがグローバルな平和と安全保障を維持するための役割を果たしていることを理解して、支援してほしい。核合意に合意した諸国、そして日本はイランと長きにわたって友好関係を維持してきている。

 イランが果たしている役割は3つある。第1は(編集部注:欧州を目指す)300万~400万人に及ぶアフガニスタン難民に対する役割。こうした難民を支援するのは国際社会の責任であり、イランだけが負担すべきものではない。それでも国際社会のため、イランはこの役割を果たしている。

 第2として、違法薬物との戦いを最前線を担い、国際社会を守っている。

 第3に、過激派、テロ組織と戦っている。イスラム国(IS)との戦いでも重要な役割を果たした。こうした組織は中東だけでなく、欧州を含む全世界に恐怖をもたらしている。イランはこれらに対する対抗勢力として機能している。

 日本の皆さん、日本政府のみなさん、そして世界のみなさん、イランが果たしている役割、イランの正統な立場を理解して、支援していただきたい。イランは、国連安保理決議にのっとった合意を順守しているにもかかわらず、制裁を科せられている。


 「私はイランへの空爆を撤回したわけではない。今は実行に踏み切るのを停止しているだけだ」(ドナルド・トランプ米大統領)

 「オマーン湾でのタンカー攻撃は、イランに責任があるものと推定している」(マイク・ポンペオ米国務長官)

 イランとの緊張に関して、米国の発信力はすさまじい。ツイッターの力もあって、間を置くことなく、さまざまな情報が耳に入る。しかし、そのすべてを鵜呑みにし、流されるのは危険だ。イランの発信力は相対的に弱い。それゆえ私たちは、同国の主張に意識的に耳を傾ける必要がある。

 エブテカール副大統領の発言は、ロウハニ大統領がこれまで主張してきたことと基本的には同じだ。しかし、イランが果たしているとする3つの役割は、興味深い。中でも、難民と過激派組織への対応は、欧州諸国にとって最も切実なテーマだ。核合意に参加する英、フランス、ドイツはもちろん、他の欧州諸国からの支援も取り付けるべく意識した発言なのだろう。安倍首相のイラン訪問を高く評価したのも同様だ。

 安倍首相は米・イランの仲介役として手を挙げた。世界がこれに注目する。日本の世論も、米国の発信だけでなく、イランの必死の主張にも均等にアンテナをはる必要があるのではないか。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
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