イランのマスメ・エブテカール副大統領が来日し、米国との緊張が高まるイランの正統性について語った。同氏は女性・家庭環境問題を担当する。同国は、女性の社会進出を支援するための研究を日本の笹川平和財団と共同で実施してきた。その報告書を発表すべく来日し、記者会見を開いた。「イランは国連決議に基づく合意を守っているのに制裁を受けている」「世界に対し3つの貢献をしている。支援してほしい」と強調した。
発言は以下の通り。

米国の制裁がイラン経済にダメージを与えているのは明らかだ。毎週のように新たな制裁が追加されている。
2015年に核合意をまとめて以来、イラン経済は目覚ましい成長を遂げてきた。国内での投資を拡大すると共に、外国からの投資も誘致してきた。
米国は、イランが地域における経済大国になる可能性をつぶすべく制裁を復活させたのではないか。イランが持つポテンシャルは大きい。高い教育を受けた人材が数多くいる。全人口に占めるエンジニアの比率も高く、世界で第5位に位置する。資源も豊富だ。観光地としても世界の人々の興味を引き付ける魅力を持つ。こうした成長が経済制裁によって難しくなっている。
もちろん政府は一般国民に影響が及ばないよう努力している。特に社会福祉に頼って生活している市民が困らないよう配慮している。
安倍首相を最高指導者も国民も尊敬
安倍晋三首相によるイラン訪問は非常に有意義だった。日本政府および日本国民が平和を愛する人々であることが理解できた。最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師もハッサン・ロウハニ大統領も同首相に敬意を抱いている。イラン国民も尊敬している。訪問は成功裏に終わったと評価している。
イラン・イラク戦争の時と同じ環境に直面
核合意は国連安全保障理事会の決議にのっとった多国間の合意だ。ここから米国は一方的に離脱した。それにもかかわらず、われわれに制裁を科し、脅威をもたらしている。
尊厳を持つ国ならどこであれ、脅迫と圧力の下で交渉に応じることはできない。イランも同様だ。こうした圧力に対して、イランはこれまでも戦ってきた。8年に及ぶイラン・イラク戦争では、世界がイラクを支援し、われわれは孤立した。それでも尊厳を保ち、戦ったのだ。現在、イランは同様の状況に直面している。今回も力強く立ち向かっていく。
中東地域はわれわれにとってホームグラウンドである。緊張が高まれば、ダメージを受けるのはわれわれなのだ。数千キロも離れた場所で起きていることではない(編集部注:緊張がイランにもたらす影響が、米国が受ける影響よりもずっと大きいことを示唆したとみられる)。
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