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LIXILグループの株主総会が、コーポレートガバナンスに新たな時代の到来を告げた(6月25日、都内)

 6月25日に開催されたLIXILグループの株主総会で、前CEO(最高経営責任者)の瀬戸欣哉氏らの株主提案が、会社提案に勝利した。瀬戸氏を含む株主提案の取締役候補8人は全員選任される一方、会社提案の候補者8人のうち選任されたのは6人。瀬戸氏側が取締役会の過半数を掌握することになる。瀬戸氏側は8人一括での選任を株主に訴えており、望ましい結果となった。

 瀬戸氏は2018年10月末、CEOを解任されたが、そのプロセスがコーポレートガバナンス(企業統治)の観点から不適切だったとして反発。ガバナンスを健全化するために、解任を主導し自らCEOに就いたLIXILの前身会社の1社である旧トステム創業家の潮田洋一郎氏(当時、取締役会議長)の影響力を排除するため、株主提案をしていた。瀬戸氏側の取締役は瀬戸氏をCEOに推しており、瀬戸氏がCEOに復帰した。

LIXILグループの取締役の選任結果
選任瀬戸氏側
瀬戸 欣哉LIXILグループ取締役 前CEO
伊奈 啓一郎LIXILグループ取締役
川本 隆一LIXILグループ取締役
吉田 聡LIXIL取締役 専務役員
西浦 裕二元三井住友トラストクラブ代表取締役会長、元アクサ生命保険取締役会長
濱口 大輔前企業年金連合会運用執行理事
鬼丸 かおる前最高裁判所判事
鈴木 輝夫元あずさ監査法人副理事長
選任会社側
大坪 一彦LIXIL グループ執行役副社長、LIXIL代表取締役社長 兼 COO
三浦 善司元リコー代表取締役社長兼 CEO
河原 春郎元JVCケンウッド代表取締役会長兼社長兼CEO
×福原 賢一ベネッセホールディングス代表取締役副会長
×竹内 洋元関東財務局長、元日本政策投資銀行取締役常務執行役員CFO
内堀 民雄元ミネベアミツミ取締役専務執行役員
松﨑 正年コニカミノルタ取締役 取締役会議長
カート・キャンベル元米国務省 東アジア・太平洋 担当国務次官補
注:鬼丸氏、鈴木氏は会社側も候補者として提案。両氏は承諾していない。肩書きは招集通知発送時点。オレンジ色は社内取締役。

 瀬戸氏の不可解な解任劇を巡っては、英米の機関投資家もLIXILのガバナンス不全を問題視し、一時は潮田氏らの解任を求める臨時株主総会の招集請求をする事態に発展していた。臨時総会を請求した機関投資家の1社は、「株主提案側が取締役の過半数を押さえ、しかも8人全員が選任された。最高の結果ではないか」と胸をなでおろす。通常、株主提案は否決されるケースが多いが、ガバナンスを正すために行動を起こした株主提案側が勝利した意義は大きい。

 両陣営ともに、接戦を予想していた。瀬戸氏側で取締役に選任された西浦裕二氏は今朝、株主総会の会場に入る際に緊張した面持ちで「やるべきことはやった。接戦になるだろう」と語っていた。一方、会社側関係者も「今朝の時点で票読み結果はギリギリで、当日投票の生命保険など国内機関投資家次第だろうという状況だった」と打ち明ける。

 会社側関係者は「瀬戸氏側と会社側の双方にマルを付けた機関投資家が結構いた」と分析する。そもそも瀬戸氏解任の経緯がガバナンスの観点から問題点が多く、瀬戸氏側の提案に反対する理由を見いだせなかった株主も少なくなかったようだ。スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)に署名している機関投資家は議決権行使の賛否と、その理由を開示する必要がある。

 一方、会社側提案で選任されなかった2人は、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が推奨しなかった人物。会社側関係者は、「瀬戸氏側にはバツを付ける理由が見当たらず、会社側の2人はISSの推奨に従ってバツを付けた、という機関投資家が少なからずいた」と見る。

 瀬戸氏側の関係者は、「株主総会での質問のほとんどは、株主提案を支持する質問だった。接戦だったと思うが、勝てるのではと期待を持った」と打ち明ける。今日、6月25日は偶然にも瀬戸氏の誕生日。大きな誕生日プレゼントになった。

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■変更履歴
記事公開の19:00時点で「瀬戸氏がCEOに復帰する見込みだ」としていましたが、株主総会後の取締役会で6月25日付でCEOに就任することが決まったため、「瀬戸氏がCEOに復帰した」に改めました。本文は修正済みです。 [2019/6/25 20:50]
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