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米アップルがパソコン「Mac(マック)」の半導体を米インテル製から自社開発品に切り替えることを決めた。15年の蜜月関係に終止符が打たれる。インテルは今後も競争力を維持できるのか。

2020年1月に米ラスベガスで講演するインテルのボブ・スワンCEO(写真:ロイター/アフロ)

 「遅かれ早かれ起きたことだ」。マックの心臓部の半導体を米インテル製から切り替えるという米アップルの決断について、複数の半導体関係者はこう口をそろえる。

 アップルは、CPU(中央演算処理装置)などの複数の回路を一体化した「SoC(システム・オン・チップ)」を自社開発してマックに搭載する(アップル、「Mac」への独自半導体搭載につながった10年の歴史)。スマートフォンやタブレットに採用してきた自社開発のSoCと同様に、英アーム・ホールディングスが定めたCPU仕様を採用し、外部の企業に製造を委託するもよう。最初の搭載製品を2020年末に出荷する予定で、今後2年間で自社開発品に順次切り替えていく。

 15年間に及んだアップルとインテルの蜜月関係に終止符が打たれることになる。アップルは06年、マック向け半導体を米IBMなどとの共同開発品からインテル製へと切り替えた。当時のインテルは「ウィンテル」(米マイクロソフトのウィンドウズとインテルを組み合わせた造語)としてIT(情報技術)業界を席巻。「インテルMac」は、アップルがインテルの軍門に下った印象すら与えたほどだった。

初代「iPhone」の半導体供給を逃す

 だがインテルは直後に、今回の遠因となった経営判断のミスをおかす。アップルが07年に発売した初代「iPhone」向けの半導体供給を見送ったのだ。