企業に古民家を貸し出すサテライトオフィスや外国人アーティストを招へいし、作品を制作してもらうアート・イン・レジデンスなど独自のまちづくりで高い評価を得ている徳島県神山町。人口減少のトレンドにあらがうのは容易ではないが、エンジニアやクリエーター、起業家らの流入は人口5000人超の町に活力を与えている。
6月21日、その神山で新たなプロジェクトが始まった。私立の高等専門学校(高専)「神山まるごと高専」の設立だ。

設立準備委員会に名を連ねたのは、6月19日に東証マザーズに上場した名刺管理サービス、Sansanの寺田親弘社長、神山のまちづくりを主導したNPOグリーンバレーの大南信也・前理事長、プロボノ(スキルを持った専門家によるボランティア)で関わる電通の国見昭仁エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターら14人。Sansanの寺田社長は2010年にサテライトオフィスを開くなど神山と深いつながりがある。


神山には公立高校の分校が存在するが、町内の若者は中学を卒業すると、大半が徳島市内の高校などに出て行ってしまう。町内の高等教育を充実させ、神山の中に学びの場を作ることは住民にとって極めて重要だ。
一方の寺田社長も教育に関心を持っており、過去2~3年は全国の先進的な学校を視察して回るなど、学校設立を視野に動き始めていた。その思いを受け止めた大南氏は神山で学校を作るべく設立準備委員会を創設、21日の発表にこぎ着けた。
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