6月23日にソフトバンクグループ(SBG)が開いた定時株主総会。質疑の中で孫正義会長兼社長は将来の後継について「69歳までには目星をつけないと」としつつも、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏の例を引き「69歳を過ぎても社長をやっているかもしれない。最近、予防線を含めて言い始めている」と、さらなる続投を示唆した。孫氏は現在63歳。ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を抱える世界有数の投資会社の後継者問題は、ことあるごとに課題として浮上しそうだ。

株主総会で株主の質問に答える孫正義氏
株主総会で株主の質問に答える孫正義氏

 株主総会は新型コロナウイルス感染防止の観点から、インターネットを活用して行われた。会社側の役員はリモート出席で、株主もリモートで参加可能にした。本社がある東京都港区のビルの1階ホールに設けられた会場を訪れる株主はまばらだった。

 孫氏が「最重要(課題)としてやっていきたい」と表明したのは、株主との質疑応答の最後に問われた後継問題だ。振り返れば、英ボーダフォンの日本法人や英アームなどを対象とした買収やSVFの資金調達などの大きなディールやそのタイミングの判断には、孫氏が大きな役割を果たしてきた。

 総会後に公表された2021年3月期の有価証券報告書には、「特に当社代表取締役会長兼社長執行役員である孫正義をはじめとする当社グループの経営陣に不測の事態が生じた場合には、ソフトバンクグループの活動全般に支障が生じる可能性があります」との言及があるほどだ。日本電産の永守重信氏やファーストリテイリングの柳井正氏についても、それぞれの会社の有価証券報告書に同様の記述がある。

 「(取締役会では)最初の案を修正したり引っ込めたりすることもある」(孫氏)とはいえ、孫氏個人の決断力がSBGをここまで成長させてきたのは間違いない。それだけに後継問題は一筋縄ではいかない。かつて米グーグルから引き抜いたニケシュ・アローラ氏をSBGの副社長に据え、後継者候補にしていた。その後、孫氏が翻意して自ら社長を続投すると方針を変えたことがある。今回の「後継者探し」がどこまで本気なのか、いぶかる向きも根強い。

 総会に出席した60代の個人投資家は、「もし孫さんが体調不良になったら株価は下がるだろう。これ以上は(SBG株は)買いたくない。様子見だ」「(21日に個人向けに発行された)期間35年の劣後債も買いたくなかった」と話していた。

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