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 3月期決算企業の株主総会シーズンに入った。例年にない対応を迫られているのが、20カ国・地域(G20)首脳会議の開催を控えた大阪に本社を置く企業だ。大規模な交通規制による混乱を避けるため、総会の開催場所を大阪以外に移したり、開催日程をずらしたりする企業が目立っている。

パナソニックは大阪で株主総会を開いてきたが……(写真:共同通信)

 6月27日に定時株主総会を開催するパナソニック。同社は創業以来、創業地の大阪府で総会を開いてきたが、今年は神戸市の神戸国際展示場に会場を移す。来場した株主に電池などの同社製品が配られるとあって、例年なら約5000~6000人の出席が見込まれる。会場までのアクセスに必要な交通機関「ポートライナー」は増便されるというが、「今年はどれくらいの株主に来ていただけるか、予測が立たない」と同社担当者は心配顔だ。

 大阪市に本社を置く武田薬品工業も6月27日に予定される定時株主総会を初めて横浜市で開催する。担当者は「大阪市内のふさわしい開催場所をいくつも探したが、交通規制の問題などで確保するのが難しかった」と話す。ただ、横浜開催は今回限り。来年は再び大阪市内での開催に戻すという。

 G20の開催時期に重ならないよう、株主総会の日程をずらした企業もある。大和ハウス工業や関西電力、江崎グリコは、開催日を3~6日程度前倒しした。

 一方で、総会に出席せずとも議決権を行使できる手段は広がりをみせている。郵送に加え、インターネットを経由した電子投票も定着しつつある。電子投票は東証1部上場企業の約半数が個人投資家向けに提供している。

 ただし、株主の反応はいま一つ。「電子投票では、まずIDやパスワードを登録する必要がある。個人株主には年配者が多く、そうした複雑な手続きを敬遠する方が多い」(取引所関係者)という。

 G20のような大規模イベントがあろうが、より多くの株主に来場してもらえるように努力する。企業のそんな姿勢が、株主との信頼関係を維持するための最低条件なのかもしれない。

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