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 JR東日本の子会社、JR東日本スタートアップや水産物の卸や小売りを手掛けるベンチャー企業、フーディソンなどは11日、新幹線などを使って魚介類を産地から首都圏へスピーディーに届ける実証実験を始めた。

実証実験で甘エビを運搬した上越新幹線とき320号(左)。新潟駅で上越新幹線に積み込まれる甘エビ (右)

 場所によっては従来よりも首都圏の店舗への輸送に要する時間を1日以上短縮できるという。トラック輸送と比べると環境負荷も小さい。実用化が進めば、地方で水揚げされた魚介類を、これまで以上に鮮度を保ったまま首都圏で味わえるようになる可能性がある。

 実験では、新潟県佐渡市で水揚げされた甘エビを上越新幹線などで、岩手県宮古市で採れたウニの瓶詰めを東北新幹線などで、いずれも品川駅(東京・港)にある鮮魚店に届けた。

 佐渡市の両津港近くにある佐渡魚市場では、タイやフグ、サザエなど新鮮な魚介類が並ぶ。11日朝、その一角に、佐渡島沖で前日夕方以降に取れたばかりの甘エビが並んでいた。午前7時過ぎに魚市場で200gごとに袋詰めされ、最高時速約80kmで進む旅客用の水中翼船「ジェットフォイル」で新潟港(新潟市)へ。その後、JR新潟駅で上越新幹線「とき」で終点の東京駅まで移送し、午後4時すぎにトラックで品川駅の鮮魚店へと届けられた。

佐渡魚市場に水揚げされた甘エビ(左)。JR品川駅の店舗に陳列された甘エビとウニ(右)

 市場関係者によると、両津港から首都圏まで「輸送に1日以上かかる」。一大消費地である首都圏への迅速な輸送は長年の懸案でもあった。そこでJR東グループなどが目を付けたのが新幹線だった。高速船などと組み合わせて一気に店舗まで運搬することで、従来のフェリーやトラックを使った輸送よりもはるかに速く首都圏の消費者に届けることができると考えたのだ。