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 米グーグルは2019年6月12日より、ディスプレーを搭載したAI(人工知能)スピーカー「Google Nest Hub」の販売を始める。同社としてディスプレー搭載型モデルを日本市場に投入するのは初となる。

グーグルが6月12日から発売するディスプレー搭載型AIスピーカー「Google Nest Hub」

 Google Nest Hubは音声で各種機能をコントロールでき、GoogleカレンダーやGoogleマップを使った通勤ルートの交通情報、天気情報、YouTube、レシピ情報、ニュースなどを表示する。価格は1万5120円(税込み)。グーグルのEC(電子商取引)サイト「Googleストア」で販売するほか、ビッグカメラやヤマダ電機、上新電機など家電量販店でも販売する。

 ディスプレー搭載型端末を先に日本市場に投入したのは米アマゾン・ドット・コムだ。2018年6月、AIスピーカーに小型ディスプレーを搭載した「Amazon Echo Spot」を発売。その後、タッチパネル式ディスプレーを搭載した「Amazon Echo Show」を投入するなど、次々と新製品を投入してラインアップ拡充を急いでいる。

 音声によってコンテンツの呼び出しや家電を遠隔操作するAIスピーカー市場は、ディスプレー搭載モデルへと広がり新たな競争フェーズへと移りつつある。グーグル、アマゾンという巨大インターネット企業が火花を散らしている背景にあるのは、老若男女問わず利用しやすいAIスピーカーが今後、本格的に家庭内の“管制官”としての役割が拡大すると見ているためだ。

 例えば、グーグルは日立アプライアンスのロボット掃除機「mimimaru(ミニマル)」、アイリスオーヤマの照明器具、シャープのエアコンや空気清浄機など、AIスピーカーと連携可能な家電を増やしている。

 アマゾンも同様だ。AIアシスタント機能である「Alexa(アレクサ)」を搭載したデバイスは1億台を突破。開発者が同技術を使って様々な機能を開発できる環境の整備を進めており、2019年5月には開発者が収益を得られる新たな仕組みを発表した。

 米アップルとグーグルがスマートフォン市場で繰り広げてきた第三者企業によるアプリ開発促進と同様、AIスピーカー市場はグーグルとアマゾンがどちらの陣営に多くの協力者を引き込むかという競争へと軸を移している。

 だが、同時に悲しい現実もそこにある。PwCコンサルティングのパートナーを務める野口功一氏は「AIを基盤にする同市場では、日本企業が覇権を取るのは難しい。ハードウエアのOEMや部品、ソフトウエアの提供に活路を見いだすしかないが、その領域においてもコスト競争で厳しい戦いが強いられる」と見る。

 グーグルとアマゾンによる競争から浮かび上がるのは、管制官の座を巡る争いに参加できない日本企業の姿。今後、どこに活路を見いだしていくのか、真剣に考えていく必要がある。

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