ソフトバンクは携帯値下げが2022年3月期に約700億円の減収減益要因になるものの、売上高を6%伸ばし、営業利益も0.4%とわずかながら増やす計画を立てている。4月に就任した宮川潤一社長は「プライドをかけて、増収増益を継続させる」と話す。カギを握るのが法人事業だ。

 「通信事業は残念ながらレッドオーシャンの市場になりつつある。視点を変えて、約100兆円のマーケットサイズがあるブルーオーシャンに行く」。宮川社長は6月1日、法人事業のソリューションビジネスについてこう話した。

 通信サービスの市場規模は約2.9兆円あり、NTT、KDDI、ソフトバンクの3社で長年分け合ってきた。通信ビジネスが大半を占めるソフトバンクのコンシューマ事業では、営業利益率は20%を超えていたが、楽天モバイルの新規参入や政府主導の値下げで競争環境が激化。22年3月期は、同事業で166億円の営業減益を見込む。既存ユーザーの値下げを新規ユーザーの獲得で補い切れない。

宮川社長は今後10年、増収増益の流れは途切れさせないと語る

 こうした中で、宮川社長は「これまで続いてきた増収増益の流れを崩すわけにはいかない」と語った。22年3月期では、ソフトバンクとして初めてセグメント別の業績予想を開示し、会社全体の営業利益9750億円のうち、法人事業を前年同期比19%増の1280億円にするとした。23年3月期もほぼ同じ伸びを見込み、1500億円にまで増やす計画だ。19年3月期は763億円だったので、4年間で利益額を倍増させることになる。

2030年に100兆円の市場

 主力であるコンシューマ事業と比べると、法人事業は小粒ではある。21年3月期は売上高でコンシューマ事業の4分の1、営業利益で6分の1程度にとどまる。しかし宮川社長は「そんなに時間をかけずに第2の柱としてコンシューマ事業にキャッチアップできる」と話す。

 ソフトバンクは法人事業において、通信回線の単体売りからソリューションビジネスへの変革を進めてきた。宮川社長が見据えるブルーオーシャン市場とは、スマートシティーやモビリティー、ヘルスケア、キャッシュレスなどデジタル化が進む領域すべてを指す。同社の推計では、30年に約100兆円のマーケットサイズが見込まれ、伸びしろが大きいと期待する。

 だが、バラ色の世界が待っているとは言えない。課題は大きく2つある。

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