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 日本ラグビーフットボール協会は30日、人材サービス会社のビズリーチ(東京・渋谷)を通して中途採用の募集を始めた。主なミッションは今年国内で開催されるラグビーワールドカップ(W杯)後の戦略策定だ。年収は約1000万円。スポーツ団体としては異例の待遇を用意し、将来の成長を託す。

ワールドカップを9月に控え、ラグビー日本代表への期待は高まる(写真:共同通信)

 「次の10年、どう成長させていくか。求めているのは事業性の追求だ」。日本ラグビー協会BEYOND2019戦略室の福島弦・戦略室長はそう強調する。日本では今年9~11月、ラグビーW杯が開催される。観戦チケットは高額ながら、申し込みが殺到するなどW杯自体の視界は良好。ただ、W杯後の日本ラグビーの筋道は立っていない。

 日本ラグビー協会の年間予算は50億円ほど。福島氏はこれを「持続的な成長を念頭に100億円から150億円の規模にしていきたい」と話す。W杯で世界から注目を集めるのを好機として、新たな収益源の開拓やトップリーグ改革を進めたい考え。「グローバルスポーツであるラグビーにはかなりのポテンシャルがある」。

 福島氏がラグビーの将来に期待して業界入りしたのは2015年のこと。東京大学経済学部の出身で、以前はマッキンゼー・アンド・カンパニーで企業のグローバル戦略策定などを手掛けていた。ラグビー界では、世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」に参戦した日本チーム、サンウルブズの立ち上げにかかわり、事業面の取りまとめ役を担った。

 福島氏を補佐する戦略室長代行の野田大地氏も華麗な経歴を持つ。英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを卒業し、ゴールドマン・サックス証券に入社。アナリストとして活躍し、投資調査部のバイスプレジデントも務めたやり手だ。16年からサンウルブズの事業担当となり、ダイナミックプライシングの導入など新たな運営手法を取り入れてきた。

 今回募集するのは、BEYOND2019戦略室のマネジャー。福島氏、野田氏とともに、日本ラグビーの事業面での将来像を描くのが仕事内容で「馬力を持って事業を推進するような同志を求めている」(福島氏)。1年契約の更新制で月収は75万~90万円。年収換算900万~1100万円は、スポーツ団体の職員としては高収入に位置付けられる。

 何かと比較対象になるサッカーをみると、日本サッカー協会の経常収益は約190億円で、Jリーグの事業規模は1000億円を超える。福島氏らが育ててきたサンウルブズは、SRのリーグ運営方針で2020年シーズンを最後に除外となることが決まった。逆境の中で成長ストーリーを描ける人材が必要とされている。

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