全1574文字

 欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏ルノーは5月27日、経営統合を検討することを発表した。統合会社の株式は、両社の株主が50%ずつで分け合う形を想定。年間販売台数は870万台で、世界3位の自動車メーカーとなる。取締役は11人で両社から4人ずつ、日産自動車から1人を選任する予定だ。工場の閉鎖はないが、車両やエンジンなどの開発 効率化で年間50億ユーロ(6100億円)の統合効果を見込んでいる。

 FCAからの統合案に日産自動車や三菱自動車は含まれていないが、実現すれば4社合わせて1500万台規模の世界最大の自動車グループとなる。

  
FCAからルノーに経営統合を提案。ルノーは27日、前向きに検討すると発表した(写真:AFP/アフロ)

 株式市場はまずは統合提案を前向きに評価した。統合提案を発表した27日、FCAの株価は前営業日に比べ18%高、ルノー株は同16%高で取引が始まった。

 だが、FCAとルノーの株価は1年間で大幅に下落している。米中の貿易摩擦激化が自動車メーカーの負担となっているとはいえ、この1年で株価を上昇させている自動車メーカーもある。両社の落ち込み幅は大きい。

 時価総額でも世界トップとの差は大きい。トヨタ自動車の時価総額の21兆3800億円に比べると、FCAのそれは8分の1、ルノーのそれは12分の1ほどの規模だ。

 FCAの発表によると、売上高は単純合計で1700億ユーロ(約20兆円)、営業利益は100億ユーロ(約1兆2000億円)となる。しかし、現在の時価総額を合計してもトヨタや独フォルクスワーゲンには遠く及ばない。市場の評価が低いのは、FCAとルノーの将来性に疑問符がついているからだ。